こんにちは、昨日はオランダ政府×国連機関UNOPS主催のブロックチェーンシンポジウムにMALISさんと共に参加しました、Naottaです。
なぜオランダかはMALISさんの記事をどうぞ!
私は本戦参加です!
1.金融サービス、2.アイデンティティ、3.SDGs、4.土地の所有権登記システム(法律)の4つの分野で実際にプロジェクトに様々な形で関わっている方々をパネルに迎えて議論されました。
今ブロックチェーンの世界で何が起きているか?
現在熱く語られているトピックは何か?
今のブロックチェーンのPros/Consは何か?
私たちはこの世界で何ができるのか?
などの切り口からざっくりレポします。
1.金融サービスの導入について
金融サービスのセクションではUNOPの山本芳幸氏、日本のブロックチェーン企業Soramitsuの岡田CEOが参加されていました。Soramitsuはカンボジア国際銀行でのペイメントプロジェクトを行なっています。
話された内容はもっとずっと濃いものですがメモを見返して書いています。
金融システム全般へのブロックチェーンの導入については、
Pros:ペイメントシステムでは大幅なコスト削減が見込まれる
Cons:2重支払いや信用供与などの点で問題が残る
スケーラビリティ問題もまだまだ解決する必要がありそうです。
またクリプト経済vs実体経済の関係は破壊か共存か、今後どう変化して行くのか等も活発に議論されていました。
2.難民を繋ぐアイデンティティシステム
アイデンティティでは難民IDについてはオランダのスタートアップTyknyやWIN(World Identity Network)など興味深いプロジェクトが見られました。
難民IDの必要性は以前書いた記事がある様に、ブロックチェーン上で自己管理型IDを付与するプロジェクトに多くの関心が集まっています。
問題点としては、もしIDが悪の手に渡ってしまったらブロックチェーンではどうしようも出来ない点をあげ、プライバシーとセキュリティ強化を挙げていました。
また現在のユースケースはuPortなど先進国での取り組みのみである事、様々なレベルのIDをどの様に扱うのか、フレームワークや政策を変えていく必要がある様です。
難民IDについてTyknのCEOのジミー氏が10-15年ぐらいかかると言っていました。具体的に数字が出て、正確では無いにしろ寧ろそのくらい長期にわたるプロジェクトなんだと認識した瞬間でした。
実は今回のイベントで合間にネットワーキングで話した参加者にどのプロジェクトが一番印象に残ったか聞いたところ、全員がアイデンティティと答えていたのが印象的でした。やはり不条理な理由で国を失い彷徨うことになった人々に対してなんとかしたいという気持ちは皆が持っているのだと感じました。
多くの人に力を取り戻すには国境を超えたアライアンスを築き、分断された国家と市民を繋ぐ成功例をたくさん積み重ねなければいけなく、多くのハードルがありますが、多くの人が強い関心を持って見守っている様です。
長くなって来たので後半戦はまた明日!
今回は「The Legal Aspect of Blockchain"」という13人の有識者による既存の法整備、データ、アイデンティティと人道支援の側面からブロックチェーンについて議論した内容の本も配布されました。
同じものがオランダ政府のウェブサイトからダウンロードできます。