再読。
訳者注にある通り、最終第五部の後半は一種の神秘説に入っているが(さながらプラトンの諸作の如く)、エチカ全体の中で最も心を動かされる箇所でもある。
彼は最終定理の備考において、感情に対する精神の能力・自由を記述し終えたと書いているが、それはほとんど神への知的愛の余技でしかないのでは?
(表向きは)幾何学的秩序に従っているにも拘らず、全くこの本は読むたびに印象が変わる。
そういう意味では再読が再確認とイコールにならず、常に注意を払って読まねばならないのだ。