短編。
惑星シリーズ火星編に続いて、こちらは金星が舞台。
"ハム・ハモンドの運が良かったのは、真冬に泥が噴出したことだ"
シンプルでカッコいい、見事な書き出し。
ハムは貿易商だが、地球のそれとは随分異なる業務内容でほぼ冒険家と同義。
前作での原住生物との静的・分析的なやり取りに比べると、こちらはより攻撃的で冒険小説色が前面に出ている。
途中から加わるパットことパトリシアは偉大な探検家の父を持つ生物学者。
協力し合ったり反目したりの道中は急展開のオチを見せるが、「ピグマリオン眼鏡」を読んでいれば納得のラストでもある。