かのメフィスト賞受賞作『○○○○○○○○殺人事件』刊行時より常に気になる存在ではあったが、初読みはこの連作短編集となった。
地球上の全政府消滅とAIによる世界統治を目論むハッカー集団『オクタコア』に相対するは、人工知能の研究をしていた父の死を契機に、探偵役のAI〈相以〉を手に入れるに至ったミステリ好き高校生の僕こと合尾輔(AIを助く?)。
作者は名門京大ミステリ研出身で、ケレン味しかない設定やネーミングの数々は明らかに流水大説JDCの系譜。
全5話。
突き抜けたトリックはないが、最後の「中国語の部屋」はカタストロフ度高し。