名前だけは前から知っていた。
スピノザ研究の最前線を追っていれば、上野修と並んで必ず行き当たる著者名だからだ。
けれども著書との巡り合わせには恵まれず、たまたま目にした電子書籍版のこちらを読了。
倫理学とあるが『エチカ』を著したスピノザはほぼ出てこず、ハイデッガーによる分析の批判的検討を主軸に、様々な方面から〈退屈〉の何たるかを描き出さんとする。
「カリン様の超聖水かよ」と突っ込みたくなる結論の一つはさて置き、一番面白かった(退屈しなかった)のは増補新版に付された「傷と運命」。
やはり最新の知見は刺激的だ。
そういやちょっと前に茂木健一郎のFMラジオに出てたな。
もうそういうレベルの著名人なのかと驚かされた。