空想科学読本から空想部分を取り除いた感じかな、と何となく思いながら読み始めたものの、副題の〈大学数学〉をすっかり失念していた。
そもそもが『数学セミナー』連載記事の単行本化であり、第0章から数式ガンガン出てくるわ説明一切ないわで早くも置いてけぼり。
それでも世界にただ一つの場所やハイジの危険なブランコ、メトロノーム・ろうそくの同期現象はテーマの面白さもあり楽しく読めるし、懸垂線(カテナリー)に関する数行の小史だけでもガリレイ、ライプニッツ、ホイヘンスと綺羅星の如き天才たちが出てきてワクワクが止まらない。