(前回のあらすじ:
講師からの指示により、僕はpairsを通じて知り合った
女の子と初めての電話に挑むのだった)
電話の相手の職業は保育士だった。
(どうやったら相手を泣かせることができるんだろう…)
と考えながらも、何もわからない自分はとりあえず
仕事と休日の話を聞いていこうと計画を立てた。
そして、
僕:「あ、もしもし〇〇っていいます。・・・さんですか?」
こんな感じで初めての電話が始まった。
まずはお互いの呼び方を確認した。
相手:「なんてお呼びしたらいいですか?」
僕:「〇〇で。・・・さんでいいですか?」
相手:「はい大丈夫です」
その後は予定通り、相手の仕事の話を聞いていく。
僕:「最近仕事はどうですか?」
相手:「最近異動になっちゃってー、・・・」
僕:「はい」
相手:「4月からー」
僕:「はい」
相手:「もうほとんど新人状態ですw」
僕:「あー。
忙しいですか?」
相手:「まあ忙しいですね。ぼちぼち」
僕:「あー」
僕:「なんでですか?」
相手:「新年度っていうので」
僕:「あー、なるほど」
会話がぶつぶつと切れていく。
(なんとか会話を広げないと、やばいぞ)
そんな思いに駆られる。
休日の話を振ってみる。
僕:「休日は何をされてるんですか?」
相手:「家事とか、あと友達とあったり、実家帰ったりですね」
僕:「ふん・・・(なんて返せばいいんだろう)」
相手:「なんか一人でいれなくて」
僕:「なんかそんな感じしますね」
相手:「なにを根拠に笑」
僕:「なんか、話してる感じ・・・」
死ぬほど盛り上がってない。
今思えば相手はこの時、
(電話しようって言うからもっとガンガン喋る人かと思ってた・・・)
(質問ばっかりで、面談みたい笑)
(てか、ぶっちゃけつまらん)
と思っていたと思う。
けどこのときの僕は、
そんなこと気にしてられないくらい
ただただ必死だった。
だからめげずにできる限り色んな会話を振った。
地元の話や、相手の恋愛のタイプの話を振った。
けど、同じようなテンションが続き、30分ほど話したあと、最後に
「いい人見つかるといいね」
という相手からの試合終了宣告を受けて通話は終了した。
(本当に15分で相手を泣かせるなんてできるのかよ・・)
という不安と
(とりあえず一本電話を終わらせることができた・・)
という安堵感が、僕の胸を駆け巡っていた。
そして講師にはこの会話を録音するように言われていた。
録音したやつを聞き返しながら、
これまた講師から提出するよう指示された感想を記入してく。
今回の良かった点、悪かった点、そして相手のこと。
そういったことを自分なりに考えて書き出していく。
そして録音と感想をLINEで講師に提出した。
(講師からどんなことを言われるのだろう・・・)
そんな不安でいっぱいだった僕に対して、
一日経った頃、彼からフィードバックが返ってきた。