海外で出会った衝撃体験を綴っています。
郷に入って郷に従ったときの衝撃。
ダンス発表会に向けての練習期間中、あるレッスン日に、受け持ちの先生の誕生日ということでケーキが贈られました。持ってきたのは他の先生たち。生徒の子どもたちも集まって、レッスンルームのソファの上にケーキを置いて、みんなで歌を歌ってお祝いしました。とっても賑やかでフレンドリーな雰囲気に、ええなぁと微笑ましく見ていたところ
おそらく彼女がローソクを吹き消した直後でしょうか? いやそしたらローソクが刺さるかな?目撃しなかったのでよくわかりませんが、彼女の顔面はクリームが糸を引くほどにみっしりなチョコレートケーキの中に沈められてしまったのです。
いわゆるパイ投げの亜種みたいな光景を目の当たりにして、食べ物で遊ぶんやないでと少々毒づいていると、みんな何事もなかったようにケーキを分け合って食べているではないですか。もちろん素手で。 …あれ、あのケーキ、先生の顔拓とれてるはずよね?先生さっき笑いながら顔洗いに行ったもんね?さっすがインドだな~と思っていると、練習で一緒だった女の子が、「ミョーコ、ケーキはもう食べた?」と話しかけてきました。食べていないけど、顔拓つきのケーキなうえ、そもそもインドのお菓子は目玉が大気圏外へ飛び出すほど甘いので、正直食べなくても全然構わない。ここで大人の賢さを発揮して「食べたよー」と答えれば良いものを、馬鹿正直に「食べてないけどいいよ」と答えてしまったからさあ大変。
それを聞いた女の子は「なんでっ?!まだ残ってるから食べなよ!待ってて、持ってきてあげる!!!」と、まだ残っているケーキをひとかけら、わざわざ持ってきてくれたのでした(しつこいようですがもちろん素手で。インドなら普通なんでしょうが)。10歳にも満たないきゃわいい子どもが、純粋な親切心でここまでしてくれたのだから、イヤちょっといいです…とは決して言えない。そう、ここはインドなのだ。インド人がやるよーに振る舞うのが(今回は)ベストだ。
ねっちょりしたチョコクリームの糸を口から垂らしながら、ワイルドにいただきましたよハイ!しかもこのチョコクリーム、普通のポケットティッシュなんかじゃとても太刀打ちできない。ウェットティッシュを使ってやっと拭える強力な粘度でした。原料は何なんだよ…
そんな衝撃を受けつつのおやつタイムでしたが、日本でも誕生日等のお祝い顔面ケーキがわりとあるということがわかって、新たな衝撃を受けています。専用のケーキで、その後食べるケースは少ないみたいですが。