ほんじつ面接に行ったのでちゃんとした格好をしたのだけれど、ふだんカジュアルすぎるわたくし、スーツを着たのは4年半ぶり。この年齢だとスーツを着なくてもよいのかな…とも思ったのだけれど、さすがにジャケットは羽織ったほうがよいんだろうし、そんなの持っていないし、代わりになるようなものもないので、形の流行りなど気にせずに4年半前に買ったパンツスーツにしてみた。ファッションはすきなのだけれど、いつも着ているお洋服は柄・ガラ・がら三昧。ことフォーマルに関しては無頓着だし、普段、着ることがなすぎていざというときにこのように困ることになる。
クリーニングに出して受け取ったあと、いちども着ることをせず当日を迎え(こういうことろがほんとうにだらしない)、いざ朝着てみるとジャケットがきつい……。これ、もしかするとボタンをとめられないのでは……と焦り、おそるおそるとめてみるとようやくとまる程度。どうしよう苦しい……でも今更間に合わない。
スマホでボタンはあけていていいものか調べてみると、立っているときも座っているときも基本的に閉める。と書いてある。ほう…困った。立ち姿でもきついのに座ったらボタンが弾けるのではないか。恐怖である。
面接は13時からだったので朝は準備をして面接の練習をすることにしていたけれど、ボタンのことばかり考えて外に出たため財布を忘れてぼんやりし、「なんでボタンあけたままにしちゃいけないんだ」と半ばキレ気味に考えながら一度家にもどって財布を持ち、ボタンもそうだけど「なんでスーツにはヒールを履かなくちゃならないんだ…」と考え始めて「わたしはわたしを貫く!」とつぶやき、楽なスリッポンタイプの黒靴に履き替えて外に出た。
そうなるとボタンのことなどどうでもよくなってくる。常識がなんなのかわからなくなってくる。#KuTooというハッシュタグでヒールやパンプスを強制するんじゃねえ!って訴える活動があったではないか。いまのわたしはボタンも#KuTooである。
そんなことをおもいながら面接先に訪問した。
無理やりボタンをとめて……。
わたしは抗えなかった。ボタンをはずしてお辞儀をすることができなかった。これはヒールやパンプスを強制しないでほしいと訴える#KuTooの活動でもなんでもないのだ。ボタンをとめるのが大変だったのは、あきらかに自分の準備不足のせいなのだ。
ため息をつく。
でもおかげさまで面接は無事におわった。受かろうが受からなかろうが、いい話ができたようにおもう。何かあるときはきちんと準備をしよう…ほんとうにだらしないな…と反省しつつ結局またおんなじことを繰り返してしまうのだろうなとおもう、確実にお腹まわりの脂肪がついたことを実感した8月の終わりに。
アーメン