ビジネスホテルで朝から半身浴をした。『ベストSF2022』の酉島伝法著「もふとん」を読みながら半身浴をした。汗をかきながら「もふとんほしいなぁ…そうしたらきっとよく眠れるのに……」と泣きそうになった。もふとんがあらわれてもふとんをまとったときの喜びや感動、そして、いなくなったときの喪失感を味わった。わたしの部屋にはもとからたぶんもふとんがいない。もふとんらしきものはいるが息はしていない。とてもさみしい。
昼間はちがう本を一冊読み終えて、また『ベストSF2022』に戻って3作品読み終えた。といってもこの本を買ってから最初に読んだのが「無断と土」(鈴木一平+山本浩貴(いぬのせなか座))で、この作品は読むのが4・5回めぐらい。知っている話なのに最初に読んで満足した。
夜は『NOPE/ノープ』を観に映画館へ。もとから急に迫りくるものや音が苦手なのによく観にいったなぁとおもったけれど、ホラー感よりもアメリカの闇を感じたような気がする。さいしょはドキドキしながら薄目でみたりマスクを目元に寄せたりしていたが、後半なぜかずっと笑ってしまった。もう一度観たい。ほんとうはIMAXで観たいけど、もう時期的に遅いかもしれない。
他人の価値観とかおもしろいと感じるものなどわかりようがないので、他人に自分が読んで面白かった本や映画をすすめることはしないというかすすめることができない。だってわかんないから。きかれたとしてももぐもぐしてHmmmとハミングしてやり過ごしてしまう。
読みたいんだけどまだ読んでいないとか、観たいと思ってるんだけどまだ観ていないとかの発言はたぶん、その人にとってその作品はそれほど重要ではなくて、読まなくてもいいとおもっているし、観なくてもいいとおもっているのだとおもってしまうので、じぶんの読みたいもの観たいものを読んで観て楽しんでいればよいのでは……と冷めてしまう。
『NOPE/ノープ』も『ベストSF2022』もとてもおもしろい。いい週末を過ごした。歯医者には行かなかった。