こんにちは、Pockyです。
ありがたいことに、このシリーズ割と好評なので早くも3回目です。
今回は、ALISの元になったことでも知られるこのプロジェクト。
サービス名は「steemit」、ここで利用される通貨が「STEEM」です。
◆ STEEM(steemit)とは?
◆ steemitの来歴
・SMTによる関連アプリの普及
・TRONによる買収と対立
・ハードフォークによるHIVEの登場◆ トークンの種類
◆ トークン価格
◆ STEEMの今後と将来性
◆ まとめ
Steemitは、ALISの元祖ともいえる仮想通貨系のブログサービスです。
記事を投稿したり、投稿された記事を評価することでSTEEMというsteemit独自のコインを獲得することができます。
これにより、サイト内に広告を表示することなく利用者がマネタイズできるだけでなく、良い記事に評価が集まって信頼を可視化しやすくなるという利点があります。
そもそもALISはsteemitから着想を得て簡素化したものなので、外枠はALISと同じです。
ALISと大きく異なる特徴は、steemitにはトークンの種類が複数あります。
この点については後述します。
2016年3月 ・ホワイトペーパー公開
2016年7月 ・サービス開始
2018年11月 ・steemitが従業員を70%解雇(仮想通貨市場低迷期)
2019年12月 ・Dapps開発の基盤となるSMTをリリース
2020年2月 ・TRONがSteemitを買収
・65,000,000 STEEMを凍結2020年3月 ・STEEMのハードフォークによりHIVEが誕生
steemitは、STEEMベースの分散型アプリケーション(Dapps)開発を支援するため、「SMT」(Smart Media Tokens)を2019年12月にリリースしました。
これにより、STEEMブロックチェーン上で稼働するアプリケーションを誰でも開発することが可能となり、様々な関連サービスが生まれました。
代表的なもので言えば、Youtubeを模した「DTube」や、インスタグラムを模した「Appics」などが挙げられます。
これらはsteemitと同じように、「投稿」や「いいね」によってトークンを獲得できるため、広告なしにマネタイズ可能という大きな利点があります。
ちなみにこれらのサービスでは、STEEMトークンとは別にそれぞれ独自のトークンが利用されており、主にDEX(分散型取引所)で取引されています。
steemitは2018年の仮想通貨市場低迷を機に財政が厳しくなり、同年11月には従業員を70%削減しています。
そんな背景もあり、steemitは2020年2月にTRON財団によって買収されました。
当初この買収は両者にとって、またユーザーにとっても前向きなものと捉えられており、TRONはsteemitの救世主とも言われていました。
しかしここからTRONとsteemitの泥沼合戦が始まります。
その原因はSTEEMトークンが持つ投票権の効力です。
STEEMの投票権については概要を省きますが、株と似たようなイメージです。
買収によってTRON側が大量のSTEEMトークンを保有することになったことで、中央集権的な運営になることを危惧したsteemit側は、このTRON側が持つトークンの投票権を無効にする仕様変更(ソフトフォーク)を提案・実施しました。
これに対しTRON側は、各取引所で管理されたSTEEMを利用した上で全体の50%を上回る投票権を確保し、ソフトフォークを覆すハードフォークを提案・実施しました。
結果的にはTRON側が重要なノードを独占し、steemit側はこの権力争いに負けた形となりました。
投票権の争いを機にTRON側とsteemit側は完全に対立し、steemit側は新たにTRONから独立することになります。
steemit側は、TRON側が持つSTEEMを除いたトークンに対してハードフォークを実施し、新たなHIVEというトークンへ移行しました。
これに伴ってsteemitのサービスからも独立し、全く同じ内容の別のサービス「HIVE Blog」が生まれました。
現在、TRON側が持つ「steemit」と、元steemit側が持つ「HIVE Blog」はそれぞれ別のサービスとして運営されています。
steemitにはもともと、3種類のトークンが存在します。
・STEEM
→ steemitのメイン通貨。取引や出金が可能。・SP:STEEM POWER
→ STEEMと1:1で交換可能。
メリット:保有率が高いほど報酬が増える。・SBD :Steem Dollars
→ 米ドルとおよそ1:1の価値を持ち、STEEMと交換可能。
メリット:仮想通貨市場の変動による影響を受けない。
steemitにおける報酬は、SPとSBDが50%ずつ付与され、これらはいつでもSTEEMに交換して出金することができます。
これだけでも十分ややこしいのですが、前述したTRONによる買収を機にさらにややこしくなりました。
元より、TRON財団には独自のブロックチェーンTRON(TRX)が存在しますが、steemit買収によって、TRXがSteemエコシステムに統合されました。
これにより現在steemitでは、SP・SBDの報酬に加え、SPと同量のTRXも付与されます。
つまり、現在steemitで利用されるトークンは、STEEM、SP、SBD、TRXの4種類となっています。
ちなみに、分裂したHIVEでもsteemitと同様に、3種類のトークンが存在します。
・HIVE
・HP:HIVE POWER
・HBD:Hive Dollars
内容はsteemitと全く一緒です。
steemitではICOが行われていないため、ICO価格は存在しません。
CoinMarketCapに残っている最初の履歴では、2016年4月に89円で取引されています。
その後、HitBTCやHuobi、Binanceといった大手取引所で取引が盛んになり、2018年のアルトバブル最盛期には700円超えの高値を付けました。
しかしバブル崩壊とともにSTEEMも暴落。現在は20円前後で取引されています。
ちなみに分裂したHIVEも現在Bittrex、Binanceといった大手取引所に上場しています。
価格は一時90円まで高騰しましたが、現在は14円ほどです。
steemitが2017年1月に公開したロードマップには、steemitとSTEEMトークンに関するビジョンが22ページにわたって記されています。
そして短期的な目標の概要として、登録者とアクティブユーザーの数を大幅に増やすこと、そして同時にSTEEMプラットフォーム上の起業家や開発者にサポートとリソースを提供することが不可欠であることを挙げています。
これについては前述したように、SMTの一般公開によって様々な関連サービスの誕生を実現し、結果的にsteemitユーザーの増加にも上手く繋がったと言えます。
現にsteemitは、すでに累計利用者数100万人超の大規模SNSに成長しました。
また、ロードマップ内の具体的な内容についていくつか目についたものを取り上げると、
・iOS・Androidモバイルアプリの開発
・サードパーティアプリケーション用のSteemログイン
・steemitのリブランディング
・ステータスバー機能の開発
などが挙げられます。
ただこのロードマップはTRONに買収される以前のものなので、TRON主体となった後の明確な方針などはわかりません。
財政難の一方で、ユーザーの獲得とプラットフォームの拡大を続けてきたsteemitですが、やはりTRONとの対立による分断は大きな痛手だったと思います。
利用ユーザーが分断されることももちろんですが、今回の混乱に嫌気が差したユーザーも多いことでしょう。
また、TRXとSTEEMの統合などによってますますトークンシステムも複雑になりました。
僕自身もこの記事を書くために色々調べましたが、正直めちゃだるかったです。笑
TRON主体の現steemitと、元steemitコミュニティ主体のHIVE。
最終的にどちらが勝つんでしょうか...。
はたまたALISが世界を制したり!?
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