非営利団体惑星協会が打ち上げたソーラーセイリング(太陽光推進)実証機が地球周回上でソーラーセイリングの実証に成功したという(この記事を書こうとしている段階で、毎週のように打ち上げ、帆の展開の成功と相次いでいてようやく記事が書けた)。学生時代のときには夢物語だと思われていた技術が現実化したことに少なからず感慨を受けた。
このソーラーセルとは太陽光発電のように、電気によって動くのでも、通常のロケットのように燃料を放射して推進するのでもない。太陽の光の運動量を受けて推進する。光(光子)に重さはないから運動量があるわけないと思われるかもしれないが、一般性相対性理論により、光には運動量が存在する。まあ意味わからないと思うので、太陽光は暖かいからエネルギーがあると考えていただければよい(理論的にはかなり間違っているが)。
実際太陽光による運動量は、記事にもあるように、人間にとっての蠅の重量程度である。しかしこの運動量が半永久的に、少なくとも太陽が消滅するまで得られるので、総運動量としては大きく、何年も経てばかなりの速度になる。なにより燃料を消費しないので火星やそれ以上遠くの天体への超長距離移動には適している。
ちなみにこの前例となった実験が イカロス(なんつー縁起の悪い名前をつけんだと思う)というJAXAが手がけたプロジェクトだった。このときの話を聞くと、広大な面積の帆をいかに宇宙空間で展開するかが難しい問題だったらしい。なんでも日本の伝統美術である折り紙のノウハウが詰まっているとからしい。
ただ一つ疑問なのは、この装置はどうやって止まるのだろう?金星に落下するのだろうか?
※画像はこれっぽっちも関係ありません。