【Rev.2】
アメリカのスリーマイル島原子力発電所1号機が9月20日を持って操業が停止となった。Rev.1までに書いたように、私はスリーマイルが今まで稼働していたは超危険な行為だと考えていたため、無事停止していたことにホッとしている。とはいえ60年かけて廃炉にするというのもまた気が長い話ではある。
別の記事でも書いたように、ロシアのチェルノブイリ原子力発電所もほぼ沈静化した。福島第一原子力発電所もまだまだ課題は多いものの、同じように沈静化して欲しいと切に願う。
【Rev.1】
アメリカは原発の稼働期間を80年に延ばすことを本気で考えているらしい。スリーマイルが起きた1979年から2016年まで新設の原発は建設されなかった。したがって近年の新設の原発以外全て運転開始から40年以上が経っている。原発は原則として40年で廃炉にするという方針があったのて、これはかなり危険な行為である。
そしてこれはおそらく日本もたどる道筋である。日本の原発も多くが運転開始から40年が経っており、60年の延長を申請するには規制委員会の厳しい審査を通過しなければならない。ちなみに福島第一の事故は同原発の60年延長申請の直後に起きた。今は規制委員会は一応機能しているが、将来的には不安がある。日本も多くが60年に延長するだろう。
これを防ぐには火力発電所をどんどん立てるか、原発の新設を検討しなければならない。経団連会長の中西氏も強くこの点を言及している。これからの原発政策はますます混迷するだろう。
【Rev.0】
2019年9月末までにアメリカのスリーマイル島原子力発電所を閉鎖すると米エクセロンが発表した。この東京新聞の記事(リンク参照)を読んで、三つの意味で衝撃を受けた。
1.スリーマイル島原子力発電所が今も稼働していたこと
2.当原発が40年以上稼働していたこと
3.6年前から不採算に陥り、年間5億ドルをかけて稼働していたこと
スリーマイルといえば、原子力やエネルギー関係の人間であれば鮮烈なイメージがあるが、一般の人にはあまり馴染みがないだろう。1979年にスリーマイル島原発では大規模な原子力事故が発生した。炉心融解(メルトダウン)になった世界初の原子力発電所である。アメリカ政府は周辺住民への健康被害はないと発表しているが、真相は今もってわからない。
1.に関して、それだけ重大な事故を起こしていながら、無傷だった一号機は現在まで稼働し続けている。フクシマの事故では福島第一原子力発電所はもちろん、福島第二原子力発電所も全て停止しているにも関わらずである。よく周辺に住む市民が納得したものである。しかもワシントンDCとニューヨークまで数百キロの距離なのに。
2.に関して、スリーマイル原発は1979年に事故を起こしてから40年が経っている。日本の規制では原子力発電所は40年を運転の上限としているので、上限目一杯まで稼働し続けたことになる。重大事故を起こした原発をそこまで酷使するかという、恐ろしい感覚である。
3.に関して、それだけ危険の高い原発を、赤字も関わらず、年間5億ドルという大金を使って稼働し続けていた。ここまでくると唖然としてくる。原子力発電の最大のメリットは、運転コストが安いことだと言われている。その前提を大きく崩している。
日本の電力会社や政府が原発事故に対して批判されているが、正直アメリカに比べればなんぼかマシだと思えてくる。だからといって、もちろん日本の方がいいとは言わないが。