東京ビックサイトにて開催されたロボット展に行ってきたので、そのきになったところをまとめた。2017年に行った時の感想がリンクにあるので、もし興味があればそちらも見ていただきたい。
結論を先に言おう。これからは小型モータとベアリング関連の会社が成長する。あらゆるロボットにはこれらの部品が必要不可欠だからだ。とくにベアリングの高精度な部品を作れる会社は今のうちに買っておくに限るとみた。まあ私の株予想が当たったことがないのは内緒だ。
今年のロボット展を見てほとんどがロボットアームに関する展示で、いささか拍子抜けした。2017年に見たときにはもっとぶっ飛んだ製品がたくさんあったのだが、ブームにかこつけて色々な会社が参入して自社のアームを売ろうとしているのか、過渡期に来ているのかもしれない。以前ネジを回すロボットが出たときは衝撃だったのだが。
とはいえ変なロボットはあった。その一つが今話題のハンコ押しロボットである。しかしこれ、その機能云々の前に超遅い。一枚5秒くらいかかっている。熟練の庶務のおば、お姉さんであれば1秒に3枚は処理できるであろうに。とはいえ妙に多機能であったりした。各ページをスキャンしたり、印鑑押すときにぐいっと微妙に左右に捻ったり、印鑑の種類を切り替えられたり。妙な機能を持っているのが日本企業らしいといえばそれっぽい。
あと娯楽用(というかスペックの高さを示すためのデモンストレーションだろうが)卓球ロボットとトランプタワーを立てるロボットは確かにすごかった。卓球ロボットは上からカメラから撮る関係だろうが、威圧されるようで怖かった。そのうちプロの選手に勝つほどのレベルになるのだろうか。そうなるとプロの練習用に使われる日が来るんだろうか。スマート卓球台と組み合わさったらえらいことになる。
地味だがすごかったのがDENSOのロボットアーム用の台車だった。ロボットアームは基本的に固定されて簡単には移動できない。しかしこの台車を使えば配置換えも簡単、電源や固定具も完備で自由自在だ。こういうユーザーの物言わぬ不満を解決するのはさすがと言わざる得ない。
そしてKAWASAKIのロボットダンサーにはいい大人がめっちゃ集まっていた。こんな配線剥き出しのロボットが千本桜の音楽で踊るところを見て何が楽しいのかと思う。もちろん私も見ていたが。YAMAHAのロボットライダーもなかなか狂気の発想である(褒めている)。このロボットライダーはバイクの自動運転ではなく、バイクにロボットを乗せていかにレースで速くなれるかを競っている。素晴らしい意味で意味不明である。
ちょっと面白かったのが、歯車のなく油圧だけで回転するモータだった。特殊な油が一定圧力以上で硬化するのを利用して接触部を回転させるのだという。構造が簡素化できるので小型化できるらしい。しかし常に油が必要なのでメンテナンスが大変そうである。
冒頭で述べたように、ロボット化がすすめば小型モータやベアリングが売れるだろう。これはパソコンやスマホが売れれば半導体が売れるのと同じ理屈である。またロボットは自動化やらAIがどうだと言われながらも、結局は機械的構造物である。それゆえにメンテナンスや部品交換は避けられない。こう考えると、ロボットが売れれば、それだけ部品メーカが潤うのかもしれない。これは日本にとってチャンスかピンチかはまだわからない。
最後に特に意味はないが、FANUCのアーム一覧