

SNS上で「選挙には855億円もの税金が投入され、その多くが新聞社などの利権になっている」という投稿が注目を集めています。「メディアが政権批判をしないのは、選挙特需で儲かるからだ」という主張ですが、これはどこまで事実なのでしょうか
今回、その実態を明らかにする目的で、ファクトチェックと検証をしていこうと存じます
まず、今回の衆院選(2024年10月)に投じられた予算は876億円です。投稿にある「855億円」という数字は概ね正確と言えます
この巨額の予算は、2024年10月執行の衆議院議員総選挙において、政府は予備費から876億円を支出することを閣議決定したとの記述が根拠です
この支出の内訳は以下のとおりです
・全国4万7,000カ所の投票所の設営
・投票用紙の印刷
・1,400万人のスタッフ(公務員や立会人など)の人件費
・全世帯への公報配布
など...
日本の民主主義を物理的に動かすための「インフラ維持費」としての側面が強いものと言えます
しかし、このような支出をするぐらいだったら、選挙そのものをデジタル化するべきと思いますが、少なくとも、日本の総人口の大半を占める『高齢者』がデジタルに慣れさせる時間を要するため、全ての国政選挙でデジタル化するのは、現実に於いて無理があるのは確かな真実です
SNSの投稿を確認すると、前回の衆院選(第50回衆議院議員選挙)を例に「新聞広報代に68億円、啓発広告に31億円、計100億円が新聞社に流れている」とされています
確かに総務省の決算資料を確認すると、確かにそれらの項目で100億円が計上されていることが分かります
しかし、ここには重要な視点が欠けていることを指摘しておきます
「売上」であり「利益」ではない: 68億円の「選挙公報」には、新聞各紙への掲載料だけでなく、印刷代や各家庭に届けるための配送コストが含まれています
義務付けられた制度であること: これらは公職選挙法に基づき、「全ての有権者に平等に候補者情報が届くように」と国が定めた公的な手続きです。特定の会社を儲けさせるための随意契約ではなく、民主主義のルールに基づいた必要な支出と言えます
このようなことも相まって、SNSの人々を巧みに騙すため、このような『表現の自由』に基づく誇張した説明で多くの人々の混乱を巻き起こす要因となっていることから、この情報については、総務省の確認等が欠かせないと思われます
「100億円も貰っているからメディアは国に忖度する」という主張はどうでしょうか。大手新聞社の年間の売上高は、1社あたり数千億円規模と言われています
数年に一度の選挙で発生する(しかも各社に分散される)数億円から十数億円の広告・掲載収入が、メディア全体の報道姿勢を180度変えるほどの支配力を持つとは、ビジネスの規模感から見ても、明らかに考えにくいです
また、メディア各社は選挙期間中、候補者の当落予測や出口調査に膨大な自社予算を投じており、メディア各社によって、開票速報や選挙後の振り返りのやり方によって、それに見合った経費をメディア各社が拠出しなければなりません
でも、選挙はメディアにとっても「大きなコストがかかるイベント」は確かな事実であって、それを報じる『ニュース性』の大きさや庶民からの関心の高さが一致することから、数年に1度の政治イベントで、世間の流れが大きくなっていることが考えられます
今回のファクトチェックと検証を踏まえて言うと「数字は事実だが、解釈には飛躍がある」です。選挙に巨額の税金が使われ、その一部が新聞社等の広告費・印刷代として支払われているのは事実と言えます。その一方で、「メディアを黙らせるための利権」と結びつけるのは、根拠が不十分ではないでしょうか
税金の使い道に厳しい目を向けることは大切である一方、その背景にある「法的な仕組み」や「実費の内訳」をしっかりと正確に正しく理解することも、同じくらい重要です
今回は、SNS上で「選挙には855億円もの税金が投入され、その多くが新聞社などの利権になっている」という投稿が多くの人々から注目を集め「メディアが政権批判をしないのは、選挙特需で儲かるからだ」という主張について、ファクトチェックと検証を進めてみました
SNSは、アカウントを作れば、基本的に誰でも『情報発信者』になれます。しかし、誰でも情報発信者になれるということは、公共の福祉、公共の場で高々と情報を伝える責任と責務が同時に発生します。それを上手く収益化して生計を立てて生きているのは、まさにインフルエンサーの方々です
今回の衆議院議員選挙に於いて、選挙系インフルエンサーや政治系インフルエンサーが今回の衆議院議員選挙で政権与党をフル投入して、ニュース性と共感を意識した『ためになる情報の収益化』で膨大な利益を得たと考えられます
しかし、民主主義の根幹を揺るがしかねない事態であると同時に、選挙へ行く方々の『投票意欲の低下』『投票に対しての妨害』につながりかねないことから、選挙系インフルエンサーや政治系インフルエンサーが公職選挙法などの法律に反し、相次いで警察などから逮捕・検挙に大きくなっていくのではないでしょうか
執筆者は、今回の選挙をシビアに見守っており、今回の選挙で『投票意欲の低下』をしないために、国が予め用意している制度『期日前投票制度』をフルに活かし、今回の衆議院議員選挙は、告示日から数日経った日中の時間帯を利用して、期日前投票へ行きました
投票は日本国籍を持った方々に与えられた権利であり、それを決める責任と責務を負います。しかし、投票で誰でも投票しない『無効票』を作ることが可能で、それに伴う罰則がないことを確認しています
でも、選挙へ行くことは、とくに18歳で成人年齢となった方々の最初の人生のビックイベントであることから、次回の選挙でも、この『与えられた権利』『与えられた責務』『与えられた責任』を噛みしめて、大事な1票をまた、投票所で1票を投じてもらいたいです
さいごまで読んでいただき、ありがとうございました











