日本はようやく緊急事態を宣言した。しかし、海外のように完全に抑圧することはできず、これからも感染が広がると考えられるだろう。
ここで「ニューヨーク・タイムズ」が発表した記事をもとに、「courrier japon」が2020.5月号で書いた
「男性の方が女性よりも『コロナウイルス』に脆弱、その理由」
を読んで、私自身がこれを発信したいと思い、この記事を書く。
この根拠として、3つ挙げる。
①コロナウイルスの死者数の男女差
②男女の免疫システムの違い
③男性の性格「自信過剰」が招く、
感染・死亡リスク
※ この3つについて述べていくが、この記事自体「ニューヨーク・タイムズ」の物のため、世界的視点・数値であることを理解した上で、読んでいただきたい。
中国疾病対策センターが発表した調査によると、
男性の死者数は2.8%に対し、女性は1.7%だった。
およそ⒈6倍、男性の方が、死にやすい。
これは、コロナウイルスに限った話ではない。
SARS、MERSも、女性よりも男性の方が死亡率は、50%高く、インフルエンザが大流行した際も、若年成人男性の方が同年代の女性よりも死亡率が高かった。
現在のウイルス流行では男性に不利な要素がある可能性があり、生物学的要因からライフスタイルに関するものまでも含まれる。
感染症に対する免疫反応においては、男性の方が脆弱なのだ。
呼吸器系ウイルス感染の多くで頻繁に見られるパターン、「男性の方が重症化しやすい」のはなぜか。
ブルームバーグ公衆衛生大学院のサブラ・クラインは、免疫の男女差について、
ワクチン接種後の免疫反応も、
子供の頃にさらされた病原菌から大人になっても守ってくれる記憶免疫機能も、
女性の方が強く、より効率よく起こる。
と言う。
なぜ女性の方がより強い免疫反応を示すのかは解明されていないが、「男性の方が呼吸器系ウイルスに弱い」のには、2つの仮説がある。
⑴ 子供の生存率を上げるため
⑵ 喫煙率の男女差
である。記事最後の「補足」でこれは言及する。
イェール大学免疫学の岩崎朋子教授は、
コロナウイルスに関して、男性は、
「自分は大丈夫という誤った自信」がある
と言う。
アメリカでは「女性の方が男性よりも医者にかかることにより前向き」という一般論があったり、
『こまめにしっかりと手を洗うこと』を国から促されても、「男性は手洗いや石鹸を使う確率が女性よりも低い」というのが、複数の研究によって証明されている。
これらは日本人の文化社会からも感じ取れるはずである。例えば、老夫はトイレの後、手を洗わずに出ることを平気でするし、男性(筆者自身)は多少の咳や頭痛では、病院には行かないし、正直行くのは億劫である。
コロナウイルスの死亡リスクを1番高くする要因は、
診断が遅れるか、
初回の診断時に、重症の肺炎を患う患者
(コロナウイルス患者4021人対象とした中国の研究より)
である。
前述したサブラ・クラインはこう述べている、
行動、依存疾患、生物学上、そして免疫システムにおいても、
男女とも同じだという、一般的で大まかな思い込みがあるが、
事実は異なる。
緊急事態宣言が出された今日、これからも、女性より男性の方が、仕事などの関係で、外に出なければいけないシーンは多いはず。仕事をする為の濃厚接触は避けられないし、このような社会環境の疲労から体調管理が難しくなってくる。
これから外に出なければならい男性は具合が悪くなった時、女性(家内)から言われる
「病院で診てもらった方がいいですよ?」は素直に受け止め、医者にかかるべきだ。
なぜなら、女性の方が強いのだから。
⑴ 子供の生存率を上げるため
乳児は母乳から免疫物質を受け取り、免疫システムが発達段階にあるあいだ、それが病気を防ぐ。
これには、女性の性ホルモンである「エストロゲン」が免疫の役割を果たしている、そして女性には免疫に関する遺伝子を持つX染色体が2つ備わっている。男性にはもちろん、X染色体は1つしかない。
この仮説は、SARSに晒したマウス実験で検証されている。
⑵ 喫煙率の男女差
中国の喫煙者数は3億1600万人で世界最多であるが、中国人女性の2%強しか喫煙しておらず、比べて男性は半数以上が喫煙者だ。
中国では女性よりも男性の方が2型糖尿病罹患率が高く、高血圧も多い。この2つはどちらもコロナウィルス感染後の合併症のリスクを増加させる。