6月も後半戦に入り、19卒生の就職活動も終わりを迎え始めている。
6月1日から、反則をせずに、採用活動をしているのは「銀行業界」くらいだと思う。選考を待ち望んでいた就活生も多かったはず。
就活生にとって「銀行」という存在
「銀行員」という職業は、映画やドラマの影響で、花形でエリートという、イメージが強かった。しかし就活生として考えるとどうだろうか。
就活をしている人ならわかると思うが、「銀行」に対するイメージは、悪かった。大体の社会人は就活生に対し、「銀行」を勧めてくることはなかった。
しかし、「銀行員」に就くことには、唯一無二のメリットがあると私の周りの就活生はよく言う。「銀行員」に就けば、転職がしやすいという点である。
就活生にとって、「銀行員」と言う職業のイメージは、
働きながら勉強ができて、自分のスキルに増やすことで、もう一度自分を見つめ直し、再就活ができる。
私は、こういう発言をする仲間に、違和感を感じる。
なぜなら、「銀行員」になる前から、自分のやりたい仕事ではないことを自覚していて、安定している職業という理解不能な解釈で「銀行」志望している、からである。
この解釈は、私の周りにいる就活生の話であって、ほんの一部の話であることを理解して欲しい。ちなみに、その就活生は銀行で働くことが決定している。
この「違和感」を問題として捉え、考察していく。
東洋経済2019/6/22「銀行員の岐路」を読んで
金融業界も視野に入れていた私にとって、とてつもなく面白い内容だし、是非読んでみて欲しい。
この記事から就活生の視点で読んで、気になったことが3つある。
・外国に比べて、遅れている日本の銀行業界
・就活生において、銀行業務の認識の違い
・就活生において、銀行は「安定している」という認識の違和感
[考察]新入行員の「転職」という選択
若い行員は様々な理由から 「転職」をすると考えられるが、これを問題として捉え、先ほど挙げた3つが主な要因であると考えられる。
まず、「外国に比べて、遅れている日本の銀行業界」について。日本の銀行の「店舗数」は外国に比べて、過剰に多く、それを減らそうとしている、ということ。
また、「就活生において、銀行業務の認識の違い」について。就活生の認識では、説明会で言っていた「お客様に対し、課題を見つけ、私たちが融資することで、それを一緒に解決・挑戦する。それが私たちの仕事である。」を信じいる。
しかし、実際の業務は、他行との金利競争の中で、ノルマとの戦いであるということ。
この2つは、様々な銀行の説明会に私は参加したが、1度も聞いたことがなかった。要は、人事がそれは言ってはいけないと設定されているのか、それとも、そもそもこの情報を知らないのか。どちらにせよ私は、東洋経済を見るまで知る由もなかった情報である。
[就活生において、銀行は「安定している」という認識の違和感]については、銀行・企業の安定は、決して「雇用(働ける環境)の安定」ではないということ。
銀行という存在は、絶対的で、日本を支えている為に、破綻するリスクは低い。しかし、フィンテックにより行員を減らすことは、銀行が生き残る為に、必要な行動である。その両面での「安定」という認識に違いがあり、それに気づいていない就活生は多いと考えられる。
これらから、「転職」という選択が、問題なのではなく、就活生が知り得る情報は、企業のいい部分だけだったり、嘘の情報ばかり。
その中に隠れているリアルな情報を見つけることができるか。によって、自分のやりたいことと企業のしていることを合致させることができる。
しかし、現実には、開示していない情報や就活中であれば「時間」という制限がある為に、知ることができないこともある。
20卒から、「通年採用」が始まることで、企業と新入社員のミスマッチを防げると言われている。しかし、社会の何も知らない学生は、企業の嘘・いい部分だけを教えてもらったとき、それを疑うことをしない為に、ミスマッチを防ぐことは不可能だと言える。
本当にいい人材を採りたいなら、企業の悪い・リアルな部分の情報の開示する事で、就活生は覚悟を決めて、その企業を選び、働くイメージもできる為、ミスマッチを防げるのではないだろうか。