このシリーズは基本的には、僕なりの課題意識から、教育・子育てカテゴリーに書いている。
ただし、同じ宴会で経験したこれだけは、ビューティカテゴリーに出した。
しかし、(3)で登場した、点字パソコンについては、テクノロジーまたはビジネスの課題ととらえてほしい気がした。
そこで、テクノロジーカテゴリーのなくなった今、ビジネスカテゴリーに投稿することにした。
全盲の三上洋さんが、次に鞄から取り出したのが、点字パソコンである。
というところまでは、(3)で述べた。
ざっと紹介されただけで、深く理解したわけではないが、わかる範囲で解説してみよう。
なんといっても最大の特徴は、文字入力のキートップが、6つしかない点だ。
それもそのはず、点字は6つの点の凹凸により、すべての発音を表現する文字である。
通常は、点字版で、尖った棒で6つのうちのいずれかに凹みを入れていく。
だからパソコン入力の際は、6つのうちどこを凹ませたいのかのキーは6つが一番合理的だ。
頸から下が不随で、顎でしか打てない人のためなら、もっとキーを少なくして回数で決めることも可能だが、指が動くなら、6つが非常に合理的だ。
三上さんは驚くべきスピードで6つのキーで記事のタイトルを打った。
するとその記事が下の点字列に凹凸で表現される。
三上さんはそれを通常の読書スピードよりやや早めに読みとっていくのが、早口の音読でわかった。
僕が、自分の書いた絵本「ええぞ、カルロス」を三上さんのために持ってこなかったのを、後悔したのは、(3)に書いた。
それではネット上に、「ええぞ、カルロス」点字訳のデータをアップしておけば、検索してそれが読めるんですね!
僕は色めきたった。
点字だけは触覚だから、インターネットでデータを伝えられないと思っていたからだ。
後、味と匂いもだけど。
残念ながらこの時、三上さんはWiFiを持ってきてなかった。
仮に持ってきていたとしても、ネット上に「ええぞ、カルロス」の点字データは上げていないから、検索して読むことはできない。
でも、理論的には電子点字本は、ネット配信が可能と知った。
三上さんは、たくさんの点字データが、このUSBに入っているのだというのも見せてくれた。
とにかく、ネットは、点字パソコン同士の点字によるコミュニケーションも可能にしているのだ。
さて、最後に何故、僕がこの記事を教育ではなく、ビジネスカテゴリーに載せたかったのかの、ダメ押しをしよう。
三上さんは言った。
点字パソコンの技術が、世界で一番優れているのは、ソニーだよ。
でも、日本社会には商品化の素地がなく、行政にも支援の体制がない。
だから、ソニーはヨーロッパで市場を開発できないか探っている。
僕は前から言っているのだけど、日本列島総バリアフリー化の工事をすれば、大手ゼネコンに税金が流れるし、政府は、ほらね、消費税はちゃんと福祉に使ってるでしょ!と胸を張れる。
利権も維持され、福祉は充実し、誰も困らない。
なぜやらないのか。
同じように、ソニーに優れた点字パソコン技術があるなら、政治は税金をつぎ込んでも、日本での普及を援助するべきであろう。