ひみつがいっぱいなのだ。
僕のひみつ、きみのひみつ、あの人のひみつ。
誰にも言わないで。ならなぜ僕にいう?
ひみつをぜんぶばらしたら、この世がひっくりかえる。
連鎖反応ですべてのひみつが、
暴露されたら、
世界はちがう世界になる。
またAくんがわがまま言って動きません。
なら、あび先生に頼もう。
はい、僕が行きます。
お願いします。
本当にあび先生でいいの?
あの人、一緒に狂うだけよ。
しかたがないんだ。
この場合はあび先生しかいないんだ。
Aくんにも秘密がある。
本人も知らない秘密。
出生の
障碍原因の
虐待の
愛と憎悪の
男と女の
社会システムの
抜け道の
遠い秘密。
そんな秘密をおととい忘れて、
掛け合い漫才を始めれば、
最高のノリのAくんが、
僕と一緒に狂ってくれる。
無数の秘密をかかえたまま、
まじめな顔して歩いていくか、
道を外れて踊り狂うか。
踊り狂うは楽しいか。
踊り狂うは淋しいか。