三角公園に戻ると、どこかで見かけたことはあるかもしれないが、名前までははっきり認識してないミュージシャンが歌っていた。
コバやんというのが、ボーカルらしい。
立って演奏しているギタリストもかなりうまい。
少し、歌やMCを聴いていると、すぐに、あっと伝わってくるものがある。
「俺、一回死んだことあるねん。その時、わかったんや。何のためにこの世に生まれてきたんか。魂、育てるためやって」
本気で言っているのかどうかは歌を聴いているとわかる。
たとえば 「AKAN」という歌は、こんな感じ。(録画しなかったのでyoutubeっ探したやつ)
このミュージシャン、ええやんけ!と思って、楽屋をはけるのを待ってると、逆側からもう出ていったよと聞いたので、諦めた。
ところが、次のぐぶつの登場を待ってる頃、向こうから客席にコバやんが来てくれた!
「一番前でずっと真剣に聴いてくれてたなあ。ありがとう」
「よかったわ。こっちこそ、ありがとう。あんな、俺も臨死体験してん」
「どうやった?」
「全宇宙になった」
「黄金の光、見たか?」
「うーん。全てはひとつの光とも言えたし、空やとも言える。ビミョー」
「黄金の光見るで」
コバやんは、空性をいうより、光を語る方みたいや。
空性=無碍光
同じことなんやけど。
「魂育てるために戻ってきた。ここやで」
コバやんは、自身の胸を叩いた。
facebookを交換して、ライブスケジュール教えてもらって、記念撮影して別れた。
「ヤーマン」
ラスタファリの挨拶のパトワ語でそう言うと、彼はギターを背負って去って行った。