僕は書店の狭い通路を電動車椅子の運転テクニックを駆使して入っていった。
が、行く手を書棚入れ替えのカートに阻まれた。
カートは通路に放置しないでほしいと前にも申し入れたのだが。
別の通路を迂回して、お目当てのコーナーに辿り着いた。
調べごとがあって本を数冊立ち読み、いや車椅子だから座り読みする。
と、タイトなミニスカートのメチャ、イケてるギャルがやって来て、二メートルほどの距離のところで本を見始めた。
イケてるー。
こんなこと言うのは顰蹙だけど、車椅子目線ではミニスカートは、もっとミニスカートなのだ。
ラッキーと思って見ていると、ギャルがふとこっちを見た。
目と目が合った。
あっ、ラッキーしていてごめん。
おじさんは思った。
ギャルがこっちをしばらく見ているので、何か言われるのかと思った。
何、見てんのよーとか。
しばしの後、彼女は口を開いた。
そして言った言葉は……