2007.01.17
「京都精華大学人文学部学生論文報告書シリーズ」より。
要するに卒論を綺麗な小冊子にまとめたものだ。
京都精華大学に請求したら無料で送ってもらえる。
集中、この小論は、構成がよく工夫されていた。
「はじめに」のクラブでの様子を描写する文章にはちょっと文才を感じたし、その夜のそのクラブの夜明けの時間帯を描く趣向の「おわりに」の文章との間に論文本体を挟む手法も(ありふれてはいるが)なかなかよい。
序章でクラブやハウス・ミュージックについて概論的に説明したと、第一章「前史 ディスコからクラブへ」で始まるのも、なかなかよい。
2章から4章は、個別のクラブについてインタビューを中心に、事実関係やそこに関わった人々の思いをまとめていっている。
このあたりは、マニアでなければちょっと退屈だ。
5章のまとめでは、筆者自身のクラブへの思いがストレートに表れていたといえよう。
あびの個人的な感想では、クラブで踊っている際の一晩のメンタルな展開をもっと描いてほしかった。
でないと、なぜクラブで踊ることがそんなにいいのかが、わかりにくい。
だが、とにかく学生の卒論にしては、まあまあおもしろい読み物に仕上がっていると思う。
こういうものを立派な装丁で発行し、希望者に送付している精華大学の活動にも注目するべき点があると思った。
あび自身のレイヴパーティー論