Novel AI Diffusionは昨年末、明らかに日本、いや世界中を驚かせたソフトウェアだが、今ここにきてその存在に疑問符を付けざるを得ないことになっている。その理由を示していきたい。
まずもって、Novel AIがなぜオワコンなのかということだが、一つにあまりにもセクシャル志向の絵を出しすぎていることがあげられる。プロンプト入力時に「customer service, {{{male}}}」と打ち、ネガティブには何もいれなかった場合、以下のような画像が出てくる。
普通に考えれば、エロコンテンツとみなされてしまうようなそれであるが、実際のプロンプトに打ち込んだのはmale、つまり男を意味する単語である。このように、Novel AIでは意図しないレベルでセクシャルコンテンツを生成するアルゴリズムが組み込まれており、適当に文字を数個打つだけで、絵師が書くハイクオリティのイラストが出来上がってしまう。では、なぜこれがオワコンなのかを述べていく。
それはいたってシンプルで、これには精製費としていくらかの実質的料金を支払っているうえに、本当に得たかったコンテンツが性的に寄って出てくる、すなわち使えないことが発生する。当然このツールを使って何かをする層というのは限られてくるし、もしもこのコンテンツ供給元がDanbooruだったりする、なんていう場合非常に絵師からの反感も大きくなっていくだろう。結論としては、利便性に欠けるのが一番の原因である。
ほかにもNijijourneyやWaifu Diffusionなど数個の画像生成AIツールがあるものの、それらがNovel AIと同じ道を通らないとは思えないところがある。今後のAIツール情勢は暗号資産よりも厳しいものになるのではないかと身構えておいてもいいかもしれない。
しかし、一方でこのようなクオリティの絵を数秒で輩出できるAIツールを締め出せばいいのかというとそういうわけでもない。確かにこういったツールには一定の先進的価値があり試さないほうがもったいないという言葉も出てくるだろう。その一方で、これらのツールを使う側としては一考せざるを得ない。本当に利用するべきなのかというのは、セクシャルな絵を輩出するからではなく、それも含めてソース元の権限について適切なものなのかという問題に対して他山の石ではないからだ。
もしも、Novel AIの絵が規制を受ければ、それを利用していたルーティンワークには何らかのトラブルが発生するだろうし、安易に始めないほうがいいのではないかという結論が出てしまうことになる。最終的にこれらのツールが使えるのかどうかは、もう少し時間がたつのを待つほうがいいだろうとは思うところである。