イーロン・マスクによれば、間もなく元ツイッターであるXは完全課金制になるとのことだ。つまり、1ミリでも使うならば料金を払う必要があるとのことだ。
もしも有料化したら、世界で最も利用者割合の多い日本の動向を世界が目を見張って観測することはある程度あり得ることかもしれない。というわけで、Xが有料化した後何が起きるのかについて考えていきたい。
XなるSNSメディアは、YoutubeやTwitch、Googleニュースとは異なり、かなりラフで親近的なメディアだったのかもしれない。それが従量課金制になるとなれば、ある程度その認識に線を引くこととなる。
このような措置をとった理由の一つとして挙げられるのがbot対策だ。それによって、変なコンテンツが増えまくって広告収入が減るという悪いスパイラルに陥ることを懸念しているし、実際のところそれで6割ほど収益が減ったりしているという。
1アカウントを作るのに1円もかからない現状に待ったをかけ、信頼を買うという作戦はうまくいくのか、今後が見ものである。
botの無効化といって真っ先に思いつくのはXというよりもMetaのほうかもしれない。非常に問題となっている有名人を成り済ました詐欺広告問題はMetaの筆頭課題であり、それを先に解決するかもしれないXの課金制度化は、明らかに今後のMetaの方向性にも影響を及ぼすだろう。
既にFacebookなどでは課金制というものは存在してはいるが、Xが行った使うだけで課金しなければならないというモデルは、こちらのほうにも波及する可能性は完全否定することは難しい。
仮にこのような課金制がスタンダードになった場合、既存メディアとSNSメディアは真正面からぶつかり合うことが想像される。仮にそうなればどちらが主流になっていくのかは非常に注視したいところでもある。もしもSNSメディアのほうが主流になるならば、NYタイムズやブルームバーグのような既存メディアはよりユーティリティを向上させなければ淘汰される可能性が高い。
今のところ、SNSメディアの一番の問題であり特徴でもあるのは、人によって出てくるトップニュースが異なることだろう。ある人はブロックチェーンだが、ある人は処理水問題、ある人は海外旅行のVISA基準の改定かもしれない。これはメリットでありいいところかもしれないが、いつの間にか使っていたメディアのUIは一変して、そうではない、より堅苦しいものになっているかもしれない。