2021年に東京にあるIT企業に入ってから1年以上がたちました。今では、その仕事はやめてしまっていますが、そこで得た知見や経験などをまとめておきたいと思い、この記事を執筆することにしました。
これまで、小売店や飲食などでも働いたことはありますが、IT企業というとなんだか先進的なことをやって良そうで、いろいろと期待にあふれていたところがありました。
しかし、いざ入ってみると想像していたものに沿っていたわけもなく、めちゃくちゃ地道なことをする場所だという認識に代わりました。大体新人で入った場合、何も経験がなければシステムを理解することも難しく、それゆえに仕事内容の話もあやふやになっているところがあります。そこで基本情報技術者試験の重要性を理解しました。それは別に受かっている必要はないですが、一通り理解しておいた方が難は少なくなるだろうということです。
仕事の割合でいえば、8割はエクセル作業で、残りの2割がプログラミングコードに触れるようなものといった具合です。IT業界では、日本の場合らしいですが多重下請けがメインカルチャーのようになっていて、プロジェクトにはアサインされますがいろいろな身分のメンバーがごちゃ混ぜになって取り組んでいます。
2時間おきにタバコを吸いに行く上司に、4時間おきにドアの裏口に出て外の空気を吸っている同期、そんなメンバーで構成されていたのが前にいた会社でした。個人的にも、ずっと座っていることに耐えられなかったので、1時間おきにトイレに行くなどして多動症気味な活動を行っていました。
IT企業に入って思うことは、ITとは何なのか?ということです。情報テクノロジーという直訳がありますが、実際やっているのはデータ入力がほとんど、想像していたようなプログラミングのなんとかかんとかは、ほとんど使っていませんでした。実はそのころから、テックが進歩したらどうなるのかということは考えていました。ノーコードツールは今となっては当たり前ですが、当時Notionを使えばいい、などと言ったら「Excelでいいだろ」といわれるのが常でした。なんともまあ、Notionになったわけですが。もちろん今でもエクセルは使われていますが、Notionは大企業にも導入され始めています。
今後はさらにプログラムレスなプログラマーが重宝されていくでしょうし、それらの知識も知るべきだと考えていました。
私としては、会社に入るタイミングからプログラミングなどやりたくないと考えていました。そのノーコードやAIを使いこなしていく、というのが前提にあった頭でっかち無知人間でしたから、今となっては何ともおかしいなとは思います。しかし、当時の自分を全否定するほどかといえばそうではありません。あの時こうしておけばよかったというのは、ノーコード思考を辞めるべきだったとは思わないのです。
むしろ、ノーコード思考を持っていたマインドは良かったと思っていますし、一度IT企業にチャレンジしたことで今ではそこまでプログラミングに対するコンプレックスはなくなりました。
これは大きいと思っています。会社に入る前は、IT企業に対して盲目的だったので、なんだか意味不明なほど過剰にIT企業を信仰していた節がありました。しかし、今ではそれはありません。
IT企業は時代遅れかも知れませんが、いまはAI企業とあるのかもしれません。しかし、その企業に入る前にAIの本質を見ておくといいと思っています。それがバイオでもなんでも、最終的にそのテクノロジーが発展したらどうなるのか、という予測があると、プログラミングを全捨てするような思い切った選択はできないでしょう。大体の場合、苦労することはいろんな人にやらせたがるのが人のサガだと思っていますので。