皆さんは普段、バッテリーを使うことは頻繁にあるかもしれません。現代において、スマートフォンをはじめ様々な電子機器にバッテリーは内蔵されており、その需要は今後も高まっていくことと思われます。
日々進化するテクノロジーの地平を追い求めて、今回は「バッテリー」の革命について取り扱っていきたいと思います。章構成としては、最初に日本のバッテリーリサイクルカンパニーとして3つ紹介し、そのあとに世界のバッテリーリサイクル企業を紹介します。
Next e Solutuionは、日本のバッテリーリサイクル業者の一つで、バッテリーマネジメントシステムを扱っています。このBMSはバッテリーの利用履歴などを監視し、どのくらいバッテリーが消費されているのかを追跡するシステムで、電池セルの保護や充電残量の算出などを行います。
最終的にはBMSからB2Xという、垂直統合的なバッテリー管轄体制を敷いていくことを目標にしており、すべてのバッテリー駆動端末に対してライフサイクルから考慮したユーザビリティを確立していくことが予想されます。
BMSを手掛ける会社としてはほかに、東洋システム、日本テキサスインスツルメンツ、ルネサスエレクトロニクス、ラピスセミコンダクタなどがあります。
MIRAI LABOは2006年創業の最先端省エネやMaaSを取り扱う企業です。Next e Solution同様にBMSを手掛けており、リフィルバッテリー発電機なども手掛けています。リフィルバッテリー発電機は、ガソリン式発電機に代わる世界初の試みとされており、その動向に注目が集まっています。
VOLTAは、リチウムイオン電池のリサイクルを手掛ける企業です。現代では、「都市鉱山」という言葉が出現するほど、大都市に貴金属が集中しています。なぜかといえば、スマートフォンやタブレット、車などにコバルトやニッケル、リチウムなどのレアメタルが使われているからです。そして、このレアメタルは、中国がそのシェアを7割獲得したり、コバルトなどの希少金属はアフリカで労働問題などになっています。
コバルトやニッケルなど、一部のレアメタルは人体に有害なもので知られており、発がん性物質であることや、金属アレルギー反応の元であるなどマイナスな面もあります。そのようなレアメタルをリサイクルすることには非常に巨大なチャンスがあると言えます。
Redwood Materialsは、バッテリーの総合リサイクル企業でスマートフォン、ラップトップ、タブレット、電動工具、電動歯ブラシ、ワイヤレスヘッドホン、およびリチウムイオン電池を備えたその他の充電式デバイスについてのリサイクルを行っています。
CEOであるJB氏はもともとテスラにいたことで有名で、2017年にRedwoodを創設しました。その背景もあってか、電気自動車などのバッテリー回収なども視野に入れており、将来的な市場規模を考慮するとかなり有望なベンチャーではないかと思われます。
Northvoltは、2016年に設立されたスウェーデン発のリチウムイオン電池製造企業です。3000人の従業員と111の国籍、8の施設などで成り立つNorthvoltは、二酸化炭素排出を8割削減した高性能電池の実現を目論んでいるようです。
リチウムイオン電池製造企業としては、他にも米国のQuantumScapeや中国のCATLなどがあります。
American Battery Technology Company(ABTC)は、世界的なバッテリー需要の高まりに備えて事業を展開している企業で、リチウムイオン電池のリサイクル、一次資源からの電池金属の抽出などを手掛けています。
2016年創業のLi Cycleは、リチウムイオン電池のリサイクルを事業展開しており、顧客のバッテリーに対するニーズごとにバッテリーのマネジメントを行っています。本社はカナダにあり、最近ではLG化学やGlencoreなどとも業務提携を行ったこと出られています。
現状では、リチウムイオン電池は電気自動車やスマートフォンへの利用がメインになると考えられますが、ドローンやXR機器、IoT製品など将来性は抜群です。
日本と海外を比較すると、新興企業の規模的には海外のほうが上回っている感じはあります。一方で、ニッチトップという意味では日本企業も有数のところはある所感です。
このようなリチウムイオン電池のリサイクル技術一つとってみて何が最も凄いのかといえば、一つ一つのテクノロジーがほかの分野にも応用できることでしょう。量子コンピュータは世界を変えるかもしれないテクノロジーとされていますが、このようなリサイクル技術と量子コンピュータの処理特性が相乗すれば、まったく見知らぬ世界が訪れるかもしれません。