動画メディアの王・Youtubeの歴史を徹底解剖

gryption
2023/03/29 13:20

はじまり

YouTubeの登場

YouTubeは、2005年に3人の元PayPalの従業員であるチャド・ハーリー、スティーブ・チェン、ジャワド・カリムによって創設されたオンライン動画共有サービスです。彼らは、インターネット上でビデオ共有する方法が不便であり、改善の余地があると考え、YouTubeを立ち上げました。

YouTubeは、インターネット上でビデオをアップロード、共有、視聴することができるプラットフォームとして登場しました。初期のYouTubeは、ユーザーが手持ちのビデオを共有するために作られていましたが、すぐにユーザーによるビデオのアップロードや視聴だけでなく、音楽動画の視聴やビデオコンテストの開催など、多様な機能が追加されていきました。

YouTubeは、他のオンラインビデオ共有サイトに比べて、高品質なビデオのアップロードや視聴が可能であり、また、ビデオを埋め込んでウェブサイトに貼り付けることができるなど、非常に使いやすいインターフェースを提供しました。これにより、YouTubeはすぐに人気を集め、世界中で利用されるオンライン動画共有サービスのリーダーとなりました。

YouTubeの登場により、ユーザーは手軽に自分たちが制作したビデオを世界中に配信することができるようになり、個人がメディアを制作・配信することが可能になりました。また、音楽業界にとっても大きな影響を与え、音楽ビデオの販売方法やプロモーション手法が大きく変化しました。

日本での普及

日本においてYouTubeが広まったのは、2007年頃からでした。当時は、YouTube以外にもニコニコ動画など、日本国内の動画共有サイトが人気でしたが、YouTubeは高品質なビデオの配信が可能であり、広告や収益化の仕組みが整備されていたことが大きな魅力となり、徐々に日本でも利用者が増えていきました。

また、YouTubeの利用が普及した背景には、スマートフォンの普及もあります。2010年代に入ると、スマートフォンの普及に伴い、外出先でも手軽にYouTubeを視聴することができるようになり、その利便性が利用者数の拡大に繋がりました。

日本のユーチューバーたちが注目されるようになったのは、2010年代に入ってからです。当時は、HIKAKINやはじめしゃちょー、キックザPJなどが人気となり、彼らの成功によって、YouTubeでの活動が「YouTuber」という職業として認知されるようになりました。また、バーチャルYouTuberの登場も、日本でのYouTubeの普及を促進しました。

現在、日本でも多くの企業や個人がYouTubeを活用しており、動画制作やマーケティングにも積極的に取り組んでいます。さらに、YouTubeのライブストリーミングやコラボレーションの仕組みが進化し、視聴者とのコミュニケーションを深めることができるようになっています。

コミュニケーションツールとしてのYouTube

YouTubeは、ユーザーが自由にコンテンツを投稿し、世界中の人々に閲覧されることができる動画共有サイトです。そのため、様々なジャンルやテーマの動画が投稿されており、コミュニケーションツールとしても活用されています。

ユーチューバー同士の交流

ユーチューバー同士の交流は、チャンネル登録者数や人気度合いが近いユーチューバー同士が、自分たちのチャンネルで相互紹介を行うことで実現します。また、ユーチューバー同士が共同で動画を制作するコラボレーションも増えています。

ファンとの交流

ファンとの交流は、コメント欄やライブ配信などを通じて実現されます。ユーチューバーが配信を行い、ファンからのコメントに対して返信を行ったり、質問に答えたりすることで、交流を深めることができます。

コラボレーションの増加

コラボレーションの増加については、ユーチューバー同士がお互いのチャンネルでゲスト出演を行ったり、共同で動画制作を行うことで、新たなファンを獲得することができます。また、企業やメディアとのコラボレーションも増えており、より幅広い視聴者層に向けたプロモーション活動が行われています。

企業の参入

YouTubeは、視聴者数が多く、世界中の人々に影響力を持つことから、企業にとっても重要なプロモーションツールとして注目されています。以下に、企業がYouTubeに参入する理由をいくつか紹介します。

広告収益の可能性に目をつけた企業

まず、広告収益の可能性があります。YouTubeでは、動画内に広告を掲載し、その広告をクリックした場合や視聴された場合に収益が得られるシステムがあります。そのため、視聴者数が多く、影響力のあるユーチューバーの動画に広告を掲載することで、企業側も収益を得ることができます。

プロモーションビデオの増加

また、企業自身がYouTubeチャンネルを開設し、自社製品やサービスを紹介することで、新たな顧客獲得につながることもあります。さらに、自社のブランドイメージを向上させるために、様々なコンテンツを制作し、視聴者とのコミュニケーションを深めることも重要です。

こうした企業の参入に伴い、プロモーションビデオの増加も見られます。企業が自社製品やサービスを紹介するためのプロモーションビデオは、動画制作会社やユーチューバーに依頼することもあります。これにより、企業にとって有益な動画コンテンツが増え、視聴者にも多様な情報が提供されることになります。

バーチャルYouTuberの登場

バーチャルYouTuber（以下、VTuber）とは、2Dや3Dのアバターを用いて動画投稿を行うYouTuberのことを指します。VTuberは、自分自身ではなくアバターが動画に登場するため、匿名性を確保し、プライバシーを守りつつ、自分のキャラクターを使って活動することができます。また、VTuberはアバターを自由に操作することができるため、様々なキャラクターや世界観を表現することができます。

代表的なVTuberには、キズナアイ、にじさんじ、ホロライブがあります。キズナアイは、2016年にデビューし、世界初のバーチャルYouTuberとして注目を集めました。にじさんじは、2017年に始まり、多数のVTuberが所属しているグループです。ホロライブは、2017年に始まったバーチャルYouTuber事務所であり、世界各国からの人気を集めています。

VTuberの人気は急速に拡大し、現在ではVTuber専門のイベントやコラボレーションが行われるなど、VTuberが一大文化現象となっています。VTuberは、リアルタイムでの視聴者とのコミュニケーションが可能であり、ファンとの交流も盛んに行われています。また、VTuberは、アバターを用いるため、演出や表現の幅が広く、様々なジャンルのコンテンツを提供することができます。

ライブストリーミングの普及

ライブストリーミングは、インターネット上でのリアルタイムな動画配信のことを指します。近年、スマートフォンの普及や、インターネットの高速化により、ライブストリーミングが一般的なコミュニケーション手段として広まっています。ライブストリーミングを利用することで、リアルタイムでのコミュニケーションが可能になり、ファンとの距離が縮まることが期待されます。

YouTube Liveの登場

YouTubeは、ライブストリーミングを行うための機能「YouTube Live」を提供しています。YouTube Liveは、誰でも手軽にライブストリーミングを行うことができるため、多くのYouTuberが利用しています。また、YouTube Liveでは、ファンからの投げ銭に相当する「Super Chat」という機能が提供されています。Super Chatを利用することで、ライブ配信者が収益を得ることができ、ファンは自分のコメントを目立たせることができます。

ファンとのリアルタイムコミュニケーションの可能性

ライブストリーミングは、ファンとのリアルタイムコミュニケーションが可能であるため、YouTubeなどの動画配信サイトだけでなく、SNSのライブ配信機能も普及しています。ライブストリーミングは、イベントやコンサートの生中継など、リアルタイムでの情報伝達にも活用され、今後ますますその可能性が広がっていくことが期待されています。

動画コンテンツの多様化

YouTubeは、多様なコンテンツを提供する動画配信サイトであり、その多様性は増しています。動画コンテンツの多様化は、YouTuberたちにとっても、視聴者にとっても、魅力的な要素となっています。

番組の配信

YouTubeでは、テレビ番組やラジオ番組と同様の形式で、特定の時間帯に配信される番組も増えています。例えば、「しゃべくり007」や「今夜はナゾトレ」など、テレビ番組のような形式で配信される番組があります。

企画物の制作

また、YouTuberたちが企画したオリジナルのコンテンツを配信することも増えています。企画物の制作には、YouTuberたち自身が脚本を書いたり、演出を行ったりする場合もあります。このような制作活動は、YouTuberたちの創造性を引き出し、新しいファン層を開拓することにもつながっています。

番組化されたYouTuberたち

さらに、一部のYouTuberたちは、自分たちのチャンネルを番組化する取り組みを行っています。例えば、「フィッシャーズ」や「ヒカキンTV」など、一定のスタッフやキャストを抱えて、番組制作に取り組むYouTuberたちもいます。これにより、YouTuberたちは、より高品質なコンテンツを提供することができ、視聴者からの支持を集めています。

YouTubeの社会的影響

YouTubeは、単なるエンターテインメントの場としてだけでなく、社会的な影響力を持つようになってきています。その一例が、政治的表現の場としての活用です。

政治的表現の場としての活用

YouTubeには、様々な政治家や政治団体が自らの主張や政策を発信するためにチャンネルを開設しています。また、YouTubeを通じて選挙運動を行う候補者も増えています。これにより、YouTubeは、政治的な意思決定において、新たな表現の場となっています。

社会問題の発信や批判

また、YouTubeは、社会問題の発信や批判の場としても注目を集めています。例えば、環境問題や人種差別、セクシャルマイノリティの権利など、様々な社会問題に対する批判や啓発を行うYouTuberたちが増えています。彼らの活動により、社会的な問題がより多くの人々の関心を引くことができるようになっています。

メディアの役割を変化させたYouTubeの存在

さらに、YouTubeの存在は、メディアの役割を変化させることにもつながっています。かつては、情報発信の主体はマスメディアであり、一方的な情報の提供が主流でした。しかし、今やYouTubeをはじめとするSNSの登場により、一般人でも容易に情報発信ができるようになりました。これにより、より多様な視点や意見が出回るようになり、情報のダイバーシティが高まったと言えます。