6月17日、ついに中国の最新鋭航空母艦である「福建」が公開された。その内容は非常にスケールが大きいもので、中国では3隻目の空母になる。福建は中国の福建省からとったものとされ、福建省はその対岸にちょうど台湾が存在することからいろいろな憶測が飛び交っている。ほかにも、習近平主席の勤務地としても認識されていることもポイントだろう。
空母・福建には電磁カタパルトという艦載機射出装置が3つほど搭載されており、これまでスキージャンプ式であった遼寧や山東とは異なる。
この方式は米国の最新空母であるジェラルド・R・フォード級がそれに該当するが、米国でさえ1つしかないため今回の空母の技術力の高さがうかがえる。
詳細なスペックについてはまだ不明な部分があるものの、フォード級が原子力発電で駆動するモデルを使用しているのに対し、福建はそうではない、通常動力での駆動であることを中国のメディアは明かしている。
このようなことから、福建は米国の最新鋭空母を完全に踏襲しているわけではなく、原子力空母に対する運用コストとリスクについてある程度配慮した形になる。
米国と中国の軍事力を比較する際、単に空母の能力や数だけで判断してしまうのは尚早であり、電子偵察衛星などとの連携も重要なポイントになってくる。
中国は、電子偵察衛星として3つのエリント衛星を一組として一つのユニットを構成するモデルを採用している。この方式は米国も同様に行っているが、中国とは違い技術差が半世紀近くあるため、両者はことなる監視モデルを構築している。というのも、米国が採用しているのは、エリント衛星を高度1000キロ軌道に集中して設置しているのに対して中国は軌道をずらしながら設置している。
このことにより、中国は3つの異なる高度から情報収集を行っており、高高度と低高度に設置した衛星のそれぞれのメリット・デメリットを活かしているということになる。