米国時間5月2日と3日に、FOMCが開催されます。ちょうど現在開かれている真っ最中というわけですが、このFOMCでは注目されている議題として「利上げ」があります。米国経済は今年に入って一気に調子が悪くなっている雰囲気を受けますが、これは肌間ではなく実態としてその様です。しかし、一方で日経平均は過去最高値をつけていたり、全世界株式も同様にATHを更新しようとしており、絶好調といっても過言ではありません。
このFOMC後、連休明けに至るまで株価指数などがどのように変化していくのか考察していきたいと思います。
3月のFOMC声明では、金融不安による信用条件の引き締まりについて、その影響が「不透明」としながらも、従来の「目標レンジの継続的な引き上げ(ongoing increases in the target range)」が適切であるとの表記を、「いくらかの追加的な引き締め(some additional policy firming)」が適切であると変更しました。
パウエル議長は、3月のFOMC後の記者会見で、この表記変更は、信用条件の引き締まりが利上げと同じか、あるいはそれ以上の効果があると述べました。また、3月FOMCの議事要旨では、多くの参加者がFF金利の判断を下方修正したことや、適切な政策判断に柔軟性と選択性の維持が必要であると強調した参加者もいたことが述べられています。
このように、アメリカの金融政策当局は、引き締め方針を維持する一方で、市場や経済環境の変化に対応する柔軟性を持つことを求められています。
FRBは、信用条件の引き締まりによる影響を想定しつつも、現在の米国経済の底堅さを踏まえ、利上げ終了のタイミングを見極めているようです。5月のFOMCでは、明確な利上げ終了のメッセージが発信される可能性は低く、政策判断はデータ次第となります。また、追加利上げが必要と判断されれば、実施される可能性があると予想されます。弊社も、5月以降は政策据え置きを予想していますが、6月FOMCまでの指標次第では追加利上げもありうると考えており、市場の予想よりもタカ派的なスタンスをとっています。
株価の面では、ダウ先物市場での小幅な上昇、FOMC(米国連邦公開市場委員会)による利上げの見通しについての市場の期待、そしてFOMC声明やパウエルFRB(米国連邦準備制度理事会)議長の会見が注目されることを述べています。
市場は、FOMCが今回で利上げを最後にするとの見方を強めているようです。ただ、今後の見通しについてはまだ不透明な部分が多く、インフレ指標に関しては未知数であるとされています。FOMC声明やパウエルFRB議長の会見が、市場にとってどのような影響を与えるかは注目されます。
結果発表は日本時間の4日午前3時に行われ、その後にパウエルFRB議長の会見が予定されています。市場の動向に注目が集まります。