June 16, 2022
Flowcarbon/ 翻訳:Takeshi_TGAL
ボランタリーカーボン市場整合性イニシアチブ(VCMI)は、今年6月初旬に、企業がボランタリーカーボンクレジットを利用する際にネットゼロを主張する方法に関する指針を合理化するための実施基準(コード)を発表しました。
2021年に設立されたVCMの主要なクロスセクター・イニシアチブであるVCMI1が、VCMにおける需要側の透明性を向上させるためにコードを起草した経緯があります。これまでは、企業のコミットメントや主張に関する業界標準が明確ではなく、こうした課題はVCM や参加企業のコミットメントに対する信頼と整合性を脅かすものと見なされてきたのです。
コードでは、VCMIにおける主張を行うための 4 つのステップを定めています:
1. 第一段階として、企業は2050年までに正味ゼロエミッションを達成するという科学的にと整合したコミットメントと、排出量削減の中間目標を公表する必要があります。
2. 次に、企業が実現可能な主張に関する業界標準を決定する必要がある。VCMIは、この流れに沿って企業のパフォーマンスを評価するために、下表のようなゴールド、シルバー、ブロンズの3段階のステータスを開発しました。
3. 高品質なオフセットの役割:クレームコードの核となるメッセージのひとつは「高品質のオフセットのみを購入すること」です。VCMIは、クレジットは信頼できる基準設定機関により承認され、高い環境品質を有し、関連する場 合は社会的セーフガードと人権を考慮しなければならないと述べています。しかし、VCMI は、何が高品質のカーボンクレジットを構成するのかに関する詳細なガイダンスを提供しておらず、代替としてカーボンクレジットの横断的品質基準を特定するためのCORSIAとIC-VCM (Integrity Council for the Voluntary Carbon Market) の指針を参照しています。
4. 最後に、このコードは、事業者がカーボンクレジットを使用する際の透明性を表すものとして、購入したカーボンクレジットの開示とプロジェクトIDの公開、発行登録とヴィンテージの公開を期待しています。その結果、検証されたカーボンクレジットだけがVCMIの整合性を主張するために使用されます。また、企業に対しては、国連パリ協定第6条に基づき、カーボンクレジットがホスト国および/またはバイヤー国の対応する調整と関連しているかどうかを開示することが期待されます。
コード案は、排出削減の必要性およびメッセージング、企業の脱炭素化努力の柔軟性について明確にしていますが、対応する調整の必要性を定義するには不十分であり、二重請求の可能性を残しているのが現状です。
また、ブルームバーグは、VCMIコードは、オフセットをあまり好ましくないものと見なし、内部削減策を支持するよりもオフセットを重視する科学的根拠に基づく目標イニシアティブを弱める可能性があるとの論説を示しています。
VCM関係者の多くは、このガイドラインを歓迎し、正しい方向へ進むための第一歩として位置付けています。信頼できる調査会社の一つTrove Researchによれば、このコード案の効果は、ボランタリーカーボン市場にとってプラスの影響を及ぼすとしています。気候変動への積極的な取り組みを行う企業は指針の明確さに安心感と共に継続性を保ち、安価なクレジットを利用しようとする気候変動への取り組みが低い企業は市場から退出するだろうと分析しています。このコードの重要な要素として、できるだけ実用的で実行可能なものにするために、企業の試験運用期間である産業パイロット期間を設けることが挙げられます。この取り組みはGoogleやUnileverが主導し、様々な業界への強いシグナルとして機能する一方で、VCMの企業やアクター間のコラボレーション、誠実さ、ネットゼロ目標の実効性を強化するものとなるでしょう。
1 クレームコードは、世界各国から集まった37名のカーボン市場の技術専門家からなるVCMIの専門家諮問グループ(EAG)での数ヶ月にわたる審議と、VCMIの政府代表による国別コンタクトグループに参加する南・北半球の政府、世界各国の組織、カーボンクレジットの購入・償却や排出削減・除去プロジェクトを展開する企業などの主要ステークホルダーの意見に基づいて作成されています。(VCMI、2022年)
Flowcarbonは、カーボンオフセットをブロックチェーン上で実現する気候変動技術のパイオニア企業です。私たちのミッションは、カーボン市場をアクセス可能で透明性の高いものにし、数十億ドル規模の資金を気候変動プロジェクトに直接投資することです。炭素、持続可能性、ブロックチェーン技術の専門知識を結集した経験豊富な起業家チームによって設立され、世界有数の投資家の支援を受けており、人類、生物の多様性、地球にとって真のポジティブなインパクトをもたらすために全力を注いでいます。
気候変動の緩和には、組織的な行動が必要であり、個人でオフセットをお考えの方にも、組織としてオフセットをお考えの方にも、それぞれのニーズに合わせたカーボンソリューションを提供します。実際に、多くの組織がカーボンオフセットを利用して、ネットゼロの目標達成に取り組んでいます。
Flowcarbonは、カーボンクレジットをチェーンに乗せ、トークンに変換し、ボランタリーカーボン市場をより透明で、流動的で、アクセスしやすいものにします。そして、フラッグシップトークンであるGNTは、組織レベルのカーボンクレジットに支えられており、個人および企業のオフセットニーズに適合して機能します。
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翻訳:Takeshi_TGAL
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