どーもこんばんは。
新米心理カウンセラー・あぶです。
今回ご紹介するネタは、「金銭的インセンティヴの法則」です。
これは、報酬の可能性をちらつかされると、かえってモチベーションが下がる、というものです。
1993年、スイス政府は原子力発電所で発生する放射性廃棄物の引き受け候補地として2つの町を選んだ。だが、住民がどんな反応を示すか予測できなかったので、調べることにした。
当然のことながら多くの住民が、身近に放射性廃棄物貯蔵施設ができることに不安を覚えた。だが同時に、社会的義務感からか、50.8%が公益のために我が身を危険にさらすことに同意した。
それでも反対した者が約半分いた。そこで研究者は、メンバーを入れ替えた別の住民グループに対して同じ話をして、最後にこう付け加えた。
「受け入れ地への補償として、町民1人当たり年5000フラン(約40万円)を支払うことを決議したとします。財源は国民の税金です」
不快なことを引き受けてもらう最良の方法は、 金銭的補償をすることだろうと考えるのは当然である。この論理からすれば、補償金が高いほど、人は求められる行動を積極的にとると思われる。
だが、実際にはそうはならなかった。補償金の話を持ち出すと、建設案を受け入れる住民の割合が増えなかっただけでなく、逆に、なぜかさらに半分に下がってしまったのである。
…ちょっと話が長かったですね。
この話のポイントは、「人は経済的論理通りには動かない」、ということです。
多くの経営者や経済学者は、「金銭的インセンティヴによって、人はやる気が増す」という前提のもとに、行動しています。
しかし実際は、金銭とやる気の関係は、見た目よりも複雑なのです。
特に今の時代は、その傾向が強いように思います。自己承認欲求が満たせること、自己満足度の高いものなら、それが利益につながらなくても、すすんで行動する人は少なくありません。
ネット上のコミュニティ、様々な活動にアクティブに参加している人などは、この法則がとてもしっくりくるのではないでしょうか。
つまり。人に何かを頼む時には、
「〇〇してくれたら、いくら払います」という前に、
相手のモチベーションが上がるようなことを考えてみるといいと思います。
【PROFILE】
あぶ(新米心理カウンセラー)
滋賀県生まれ。修士(公共政策)。2018年、心理カウンセラーの資格を取得。書籍を年間約200冊読み、ブクログでレビューを書いている。LINEスタンプも不定期に作成し、販売している。
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