どうもこんばんは。
新米心理カウンセラー・あぶです。
今回は、人から話を聞き出す「質問力」についてご紹介します。
『聞き出す技術』の著者で心理学者の伊東明氏は、質問は次の3つに分けることができるといいます。
①ホープフルクエスチョン
ホープフルクエスチョンは、「あなたも当然素敵だと思っていますよね?」 という期待を込めた質問である。例えば、住宅メーカーの営業マンがお客に「素敵なお家だと思いませんか?」と質問するようなものが、典型的なパターンです。
この質問のメリットは、相手をその気にさせることです。聞かれた方の思考が「確かにいい家だよなぁ」と、ポジティブな方に向きやすくなります。
デメリットは、相手の本音を封じ込めてしまいかねないこと。「素敵なお家だと思いませんか?」と聞かれれば、たとえ不満があっても本音が言いにくくなります。
②ネガティブクエスチョン
ネガティブクエスチョンとは、「私どももお客様の満足向上に取り組んでいるのですが、まだまだ不備な点があると思います。ぜひ教えていただけませんでしょうか?」といった、物事のネガティブな面を聞き出す質問です。
この質問のメリットは、ホープフルクエスチョンとは逆で、相手が本音を言いやすくなることです。一方、デメリットは、質問をすることで、相手にネガティブな要素を思いつかせてしまうことです。
③ニュートラルクエスチョン
ニュートラルクエスチョンでは、ポジティブな面もネガティブな面も聞き出します。ここでは、「ご利用いただいた商品(サービス)について、満足された点も、不満だった点もあるかと思いますが、両方を教えていただけないでしょうか」といった聞き方になります。
この3つの質問のうち、どれを使えば効果があるかは、どんな相手から、どのような内容の話を聞き出したいのかによって変わってきます。例えば、自分に対し反抗的な態度を示す部下から、自分のどこに不満があるのか聞きたい場合は、ネガティブクエスチョンで聞き出すのが有効です。
そのため、相手からどんな情報が聞き出したいのかを明確にし、その都度、質問の仕方を工夫することが、欲しい情報を聞き出す上で重要になります。
伊東氏によれば、同じことについて聞く時でも、「相手を追いつめる質問の仕方」と「相手に逃げ道を与える質問の仕方」があるそうです。
相手を追いつめる質問とは、例えば、「お前がどれだけ他の部署に迷惑をかけたのか、 本当にわかっているのか!」という聞き方です。
一方、相手に逃げ道を与える質問は、「君がこんなことをしたのは、何か特別な理由でもあったんじゃないか。もしそうだったら、教えてくれないかな?」という聞き方になります。
読んでみてお分かりの通り、相手を追いつめる質問の仕方は避けた方が無難です。「本当にわかっているのか!」と言われれば、「申し訳ありません」と謝るしかないからです。
イライラしながら相手に話を聞こうとすると、無意識に相手を追い詰める質問になってしまいがちです。その時は、「怒ること」と「理由(原因)を聞き出す」ことの時間を分けてみることをお勧めします。
ではまたー。
人から話を聞き出す技術
「雰囲気づくり」
→【143】「雰囲気づくり」で相手の本音を引き出す
「しぐさ」
→【144】自分の「しぐさ」を見直して、相手の本音を引き出す
「コメント力」
→【145】相手の本音を引き出す「コメント力」を磨く