ザンスカールの寺院を訪ね歩きました。
ほぼ全ての寺院が崖の上あるいは崖の中腹に建てられていました。
これはバルダン寺院。
あるお坊さんに、なぜ崖の上にお寺を建てるのか聞いてみました。
ラダックやザンスカールでは、僧侶たちは完全に世俗の生活を放棄した存在と見なされます。
なので、ある程度異世界感がある崖の上というのがお寺にはふさわしい場所なのだと教えてくれました。
次に向かったのは、ゾンクール寺院。
ザンスカールの寺院で一番気に入ったお寺でした。
このお坊さんが色々とお寺を案内してくれました。
崖の中の洞窟のお堂。
さらに崖を登ると、小さなお堂が現れました。
崖の中に埋まるように立っている隠れ家お堂。
このお堂の中でチベット仏教の高僧ナローパが修行したという言い伝えがあるそうです。
この環境下で一定の期間過ごしただけで、肉体感覚や周囲の世界を認識するフィーリングは大きく変わるのではないかと思います。
このお堂を訪れた時に、なぜ多くの寺院が崖の上に建てられるのかが、はっきりとわかった気がしました。
次に行ったのは、ザンスカール最大の寺院、カルシャ僧院。
これはかなり離れたところから見たカルシャ僧院。
写真の右側岩山の中腹に多くの僧院があるのがカルシャ僧院です。
その麓に広がるのがカルシャの村。
そして村に左側の崖を少し登ったところにも、小さな僧院群があります。
ここは尼僧院。
村の両脇に僧院と尼僧院がそれぞれあり、谷で隔絶されています。
その谷間に村が広がっている面白い構造です。
カルシャ僧院に行ってみました。
寺院の内部では、少年僧たちが体を動かしながら何か声を上げていました。
何をしているのか、周りに座っていた僧侶に聞いてみました。
どうやら、子供たちは仏教哲学の試験の真っ最中なのだそうです。
周りにいる大人の僧は全員試験官だそうです。
彼らと一緒に試験の様子をバター茶をいただきながら観察させてもらいました。
何を言っているか全くわからないのですが、とっても元気で賑やかで興味深いものでした。
興味深かったので動画も少しとりました。
試験を終えた小僧たちはホッとしたようにお茶を飲みます。
思いっきり光が入って写真が見づらいのですが、彼らは試験を終えた開放感からか、とっても誇らしげな表情です。
ラダックでは多くの人たちが子供の頃から仏の道に進むそうです。
その中でも一部の人は途中で世俗の世界に戻ることもあるそうですが、ほとんどの場合一生僧侶として過ごします。
人生のほとんどの時間を崖の上で、ほとんど娯楽のない環境で過ごします。
彼らの心境を想像するのはなかなか難しいですが、旅の途中であったほとんどの僧侶はとても優しく、心穏やかでした。
それも偽りの穏やかさではなく、一緒にいても全くこちらに緊張感を感じさせないリアルな穏やかさを持っている人が圧倒的に多かったです。
(もちろん全員というわけではなく、中には虫の居所が悪いお坊さんにも出会いましたが😅)
短い時間ですが、彼らとか触れ合ったことは自分にとって大きな財産になりました。