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何度も泥棒に入られたこと ドミニカの思い出

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  • 空猫(旧 elm13)
  • 2020/01/06 02:53

 

ドミニカの生活が一年くらい経った頃、次第に日常生活が辛くなっていきました。

毎日が家と港の報復だけの単調生活。

娯楽もなく、食材も限られていて食事も毎日同じような感じです。

 

地元の人たちはとても陽気で、気のいい人たちです。

車からは大音量でカリプソという音楽が流れています。

道端で出会った時の挨拶が、

「ヤー、マン! ワッツアップ!」

みたいな挨拶を交わし、グータッチをします。

 

初めのうちは無理をして彼らのノリに合わせて、常に陽気なふりをしていたのですが、やっぱり自分にはあわないという思いがつのってきました。

次第にうつうつとした気持ちが湧いてきました。

それでもなんとかドミニカでの生活を頑張ろうと、自分に無理をさせていました。

 

 

そんな時期、朝起きてリビングのテーブルに行くと、前の日に置いたはずの財布がなくなっていました。

中には数千円相当の現金と、IDカードが入っていたと思います。

ドミニカの家では全ての窓に鉄格子がついているので、窓から侵入するのはほぼ不可能。

ふとキッチンにある勝手口の方に目をやると、鍵が開いていました。

どうやらそこから泥棒が入って財布を盗んだようです。

「もしかしたら鍵を閉め忘れたのかもしれない?」

と思いました。

一応警察も呼んで、調べてもらいました。

と言っても超いい加減な対応をされて、ドアの鍵を閉め忘れたお前が悪いみたいな感じで、なんだか書類に書かされて終わった気がします。

なんとなく警察も犯人を捕まえるモチベーションはなさそうで、泣き寝入りするしかありませんでした。

被害額もそれほど多くないので、まあしょうがないと自分を納得させました。

IDカードは再発行してもらえるのですが、お金が帰ってくることはありませんでした。

この段階では、自分でもなぜか鍵をかけ忘れた自分が悪いと信じ込んでいました。

 

その一週間後くらいに、IDの再発行の手続きなども兼ねて、ドミニカの首都ロゾーという町に数日の期間出張に行くことになりました。

もちろん戸締りは超念入りにチェックして出かけました。

そして出張が終わって家に戻ってくると、そこには絶望的な風景が広がっていました。

明らかに、リビングにあったものが少なくなっていて、家の風景がなんとなくスカスカしているのです。

湯沸かし器、CDプレーヤー、ノートパソコンなどがなくなっていました。

特にノートパソコンは、仕事やプライベートの自分の生命線だったので、ものすごいダメージを受けました。

しばらくその場に立ち尽くしました。

まず大家さんに報告すると、お前が悪いって責められてしまいました。

警察を呼びましたが、相変わらず適当な対応。

ですが流石に鍵を閉め忘れたはずはなく、誰かが合鍵を持っているのだろうという結論になりました。

一番に疑われるのは大家さん家族ですが、その他にも以前住んでいた住人などたくさんの容疑者が浮かびます。

ですが相変わらず警察は犯人を探す気は一切ないようで、またしても泣き寝入りでした。

パソコンを盗まれたこともそうですが、異国の地で心細い中2度も泥棒に入られたという精神的なショックが大きかったです。

しかもこの日は自分の誕生日でした。

誕生日の日に泥棒にあうという、一生忘れることのできないプレゼントをいただきました😅

 

その後はとりあえず家中の鍵を総取り替えしました。

大家さんには頼みたくないので、直接業者さんに頼んで変えてもらいました。

その後、泥棒が家に侵入することはなくなりました。

 

ですがその数週間後、自分がリビングでくつろいでいる時、寝室の方で物音がしました。

音を出さないで寝室の方に行ってみると、誰かが鉄格子の隙間から竹竿を突っ込んで、寝室にあるものを取ろうとしているところでした。

おそらく竹竿の先にとりもちのようなものでもつけていたのかもしれません。

その日は鉄格子があるからと安心して、窓を開けて網戸だけにしていました。

寝室の電気をつけると、外の人は慌てて逃げて行く気配がわかりました。

その後も、窓の外に人の気配を感じることなどが多々ありましたが、被害にあうことはありませんでした。

 

とは言っても、こんな出来事が立て続けに起こったので、流石に精神的にもきつくなり、何もする気がなくなっていきました。

日本に帰りたい気持ちがつのってきました。

 

そんなある日、普段仕事をしている漁港で大きなお祭りが開かれることになりました。

地物の人がみんな集まる楽しいものですが、この中に泥棒がいるんだろうなあとかなんとなく疑心暗鬼の心境でした。

それでもせっかくのお祭りなので、出店でチキンアンドチップスを買ったり、ビールを飲んだり、息抜きをしました。

お祭りも十分に楽しんだので、夜遅くに家に帰って休むことにしました。

しかしこのお祭りはオールナイトのお祭りです。

夜遅くなるほど盛り上がっていき、音楽の音量が大きくなっていきました。

自分の家は漁港から300mほど離れたところにあるので、お祭りの音がそのまま聞こえてきます。

あまりの大音量のためまったく寝ることはできませんでした。

音の振動に共鳴して、窓がビリビリと振動しだすほどの大音量。

結局音楽は朝まで続き、その日は一睡もできませんでした。

地元の人がみんな楽しんだのだから、一晩くらい眠れなくても、しょうがないと思っていました。

 

そして次の日の夜、今日は二日分たっぷり寝るぞーと意気込んでベッドに入ったのですが、なぜか全く睡眠が訪れません。

この日も朝まで眠れませんでした。

肉体が眠り方を完全に忘れてしまったような感覚です。

この不眠が2週間ほど続きました。

昼間は不意に数分間居眠りをするのですが、すぐに目が覚めるような状態でした。

慢性的な睡眠不足でふらふらになっていました。

 

流石にやばいと思って首都に行って医者に診てもらうと、うつと不眠だと言われました。

体調が戻るまで日本に帰ったほうがいいというアドバイスも受けました。

自分が思っていたよりも、はるかに大きいメンタル的なダメージを受けていたようで、かなり状況を悪化させていたようです。

結局日本に帰国して、体のリズムが元に戻るまで半年ほどかかってしまいました。

 

かなり大変な時期だったのですが、今から振り返ると色々な意味で鍛えられた貴重な時間だったと思います😊

 

 

こちらはいい思い出の記事です

 

 

 

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いろんな場所を無為に旅するのが好きです。旅先で出会う自然や猫たちに癒されています。

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