ことの始まりはALISの水澤CMOのTweetに、high retention rateという言葉が使われているのを見た時です。
Retention(リテンション)というのは、ユーザーがどれくらい継続してそのツールを使っているかの指標であり、つまり定着率を表すもののようです。
調べてみると、Googleアナリティクスにはリテンション分析の一種であるコホート分析というのを行うツールがついているようです。
こんな感じで定着率を可視化できます。
引用:
Googleアナリティクスのコホート分析で、特定条件ユーザーの行動変化や定着率を把握する
カラフルで綺麗な図ですが、一体何を意味しているのか、初見ではわかりませんでした。
今回は、コホート分析のざっくりとした見方と、実際にALISのデータをコホート分析にかけた結果について報告したいと思います。
先ほど引用した記事に、分かりやすい図がありました。
縦軸は初回訪問日時です。一番上が2013/1となっています。横に見ていくと、2013/1にサイトを初回訪問したユーザの、その後の定着率がズラッと並んでいます。横軸は初回訪問からの期間を表しており、1ヶ月後に何パーセントが定着したかを示しています。
なるほど、コホート分析をすると、時期ごとに、どのくらいの人がその後定着したかわかるようです。
さて、コホート分析がなんたるかをイメージできたところで、実際にやってみましょう。
コホート分析については、こちらの記事が分かりやすかったので、参考にしました。使用言語はpythonです。使用データは、ALISβ版公開後から6月1日までの全記事です。
参考記事は1ヶ月ごとに分析していますが、ALISβ版はまだ稼働して1ヶ月そこそこですので、週ごとの新規投稿に対して分析をかけました。
(コホート分析結果の縦軸が、月ではなく週になります)
結果がこちらです。
縦軸は、ALISベータ版に最初に投稿したのが、公開後の何週間後かを表しています。横軸は、その後再投稿した人の割合を期間(週間)ごとに示しています。
少し詳しく見てみましょう。
例えば、縦のWeek 1を見ると、左から100%, 31%, 39%, 28% .. と並んでいます。
これは、公開後1週間後にALISに初めて投稿した人のうち、その後1週間経ってからに再投稿した人が31%、2週間経ってからに再投稿した人が39%、3週間経ってから再投稿した人が28%、となっていることを表しています。
一番左の列は、常に100%なのでデータとして意味はありません。
通常、定着率は時間の増加と共に減少していくように思えますが、2週間後に定着率が上がっています。公開2週間後と言えば、ALISトークンが配布されたタイミングでしたね!
数字として明らかに、トークン配布によってツールの定着率が増加しているのがわかります。
次に、縦のラインに注目してみましょう。
これは、初投稿のタイミングごとに、1週間経ってから再投稿した人の割合を示しています。β版公開直後(あるいは事前投稿)時に投稿していた人の1週間後再投稿率は31%とあまり高くないですが、遅れて投稿した人の方が再投稿率が高く、最近は50%以上の人が1週間後に再投稿しています。
定着率としては、最近のデータを参考にした方が良いかも知れませんね。定着率50%というのは、きっと水澤CMOの言うところの、high retention rateなんだと思います。
追記:水澤CMOからコメント頂きました!
フライング分析だったようです。
いかがでしたでしょうか?
今朝の記事で三日坊主が多い、というような論調で語ってしまいましたが、ALISβ版の公開直後に比べて、定着率が上がっていることが分かりました。
特に、ALISトークンを配布したことで定着率がグッと上がったことがはっきりわかり、面白いですね。
コホート分析なんて初めて聞く人がほとんどでしょうし、少し専門的に見えたかも知れませんが、わかってしまえば定着率を見るのにすごく便利な分析方法ですね。
もし分析の手順を知りたい方がいたら、ぜひ詳しい記事(記事1、記事2)を読んでみて下さい。
本記事がどなたかのお役に立てますように。
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