2年に一度開催の職場の総会のイベント(開催場所はアラブ首長国連邦・アブダビ)でブロックチェーンの投票ツールを使った。自分の職場で初めて使用したブロックチェーンツールで、参加者にも無事円滑に使ってもらうことができ、いくつかの政府の大使館員からもお褒めの言葉をいただいた。
イベント自体はサーキュラーエコノミー(循環型経済)が主テーマで、新興国の中小企業が国連持続可能な開発目標(SDGs)に貢献できるようファイナンス・投資の機会を紹介するプラットフォームを提案した。
ファイナンス・投資機会として、最近欧米諸国で市場が形成され始めているインパクト投資をSDGsの達成につなげることを提案した。そのためには、投資によるインパクトを測り、その結果を投資家にわかりやすく報告する必要がある。イベントでブロックチェーンをどう使ったかについての詳細はイベント全体の録画版を参照してください。https://www.youtube.com/watch?v=i47MAXK_kWA&t=21311s
(イベントの様子はYoutubeで閲覧できる。)
投資の対象は自分の所属する組織が過去50年支援してきた新興国における中小企業。新興国では金融市場が必ずしも成熟していない。そのため、中小企業がアクセスできる投資機会は利子が高かったり、返済期間が短く、新興国におけるビジネス展開を妨げている。
このような状況を打開することに少しでも貢献しつつ、世界全体でのインパクト投資市場の形成にも役立てるよう、このプロジェクトはインパクト投資市場を新興国の中小企業を対象に育成することを目的とする。
イベントの最初に、ナイジェリアの3つの中小企業にビデオピッチをしてもらった。各企業には3分の時間制限を厳しく守ってビジネスピッチのビデオを撮影してもらい、アドバイスは自分が5月に参加した始めての国連組織によるブートキャンプで自分のピッチコンサルタントだった人に依頼した。ビデオ構成自体は各企業独自のもの。
これらの3企業のどれが投資機会を得るのが良いと思うか聴衆に投票してもらった。その投票に使ったのが、ブロックチェーン(Etheriumにリンクしていないサイドチェーンを使ったと理解している)のツールで、各参加者にQRコードを配り、そのQRコードを読むことでトークンを取得し、そのトークンを投票したい企業に与えることで投票してもらった。メールアドレスなどで登録する方法もあったが、参加者の便宜を考慮して単にQRコードをスキャンしてもらうことにした。
投票の機能自体は、sli.doやmentimeterなどと変わりないか、それら既存のフリーアプリのほうが使いやすい。ただ、Industry 4.0などを謳った会議に参加する政府関係者にブロックチェーンのツールが以下に簡単に使えるか経験してもらういい機会になった。もちろん、将来的にはこのようなツールで直接賞金を支払うように(技術的にはすでに可能)することが常識になるようになるのが理想。
会場のインターネットのスピードが心配であったが、全て円滑に進んだ。主要国の大使からもお褒めの言葉をもらえたので、うまく行ったと思う。より詳細については、プレスリリースも参照ください。
今後はこのプラットフォームの財政支援を表明してくれているいくつかの政府と交渉する予定。このイベント自体はイタリア政府がスポンサーについてくれた。