縁あって新潟県柏崎市西山町石地の石地海岸に関わることになった。この記事は、6月14日に開催された有志による石地海岸清掃についての記述である。
真ん中に立つ石碑は、この地が過去に新潟県の海岸で最もキレイであると表彰されたときの石碑である。そして、この石碑の足元には地元で語られている神の足跡が眠っているらしい。
新潟県の広報資料によると、新潟県の海岸の中でこの石地海岸は最も多い来場者数を誇る有名スポットらしい。シーズンオフに通ると今にも朽ち果てそうな海の家が数店舗ならんでいるだけの海辺の小さい街なのだが。
そして、さらに驚く事実がある。この石地海岸の夕日。夕日の大きさと美しさで世界的に有名なのだ。正しくいうと国内ないより海外で有名なのだ。
だがしかし、石地河岸から車で30分ほどの長岡市に住む私は、その事実を2つとも知らなかった。
今回の取り組みに際し、石地に住む人に様々なお話を聞いた。しかし、このような情報を知っている人は決まって、石地以外に住む人たちだった。
コロナパニックで行き場所を失った私が、流れ着いたのが石地海岸。海に漂っているプラスチックゴミと大差ない。やることもなく、目的もなく、ただ、漂いながらシーグラスを集めていた私をナンパしてきたオヤジがいた。
素性はわからない。さして、興味もないから聞きもしない。だが、紛れもなく私と同種の変人であることは疑いようもない。
しかも、私が可愛いからナンパしたわけではなく、変な奴がいると思ってナンパしたらしい。失礼なオヤジだ。
そして、彼と彼の仲間たちの思いを形にする。それが、石地との縁となった。
季節によってさまざまな顔を見せる海。静かな海、そして、轟音とともに荒れ狂う海。ときには、お母さんのように暖かく包んでくれる海、お父さんのように厳しく怒ってくれる海。四方八方を海で囲まれている日本に生まれた私たち。知っていますか?
今、海が泣いている。
みんな「見ないふり」していませんか?私たちもずっと「見ないふり」をしていた。
海洋プラスチック汚染の現状は大変厳しいもの。何は大きなことができるとは思っていない。でも、小さな頑張りなら出来るかもしれない。
小さい頃、海で遊んだ記憶。それは、誰の胸にも大事に残っている思い出ではないだろうか?
変人オヤジどもの思いにのった私たちの、大きな問題に対する限りなく無力な抵抗は、誰にでもできるSDGsへの取り組みとしてスタートした。
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感情モロ出しの議論を幾度と繰り返した。
そして、迎えた当日。
SNSを使った集客など何もしていない。ただ、気持ちを共有できる仲間に少しだけ大きな声で呼びかけた。
そして、集まった仲間。
雨足が迫る中、総勢20人の有志が集まった。初回に限らず、遠方は沖縄から目の前のご近所さんまで。
予定していたのは8時~10時までの2時間。しかし、私たちの目算は甘かった。砂に足をとられながら、汗ばむ中、ゴミ袋を抱えて歩く。
2時間。
とっても、無理。そして、学んだ。今回予定していた範囲くらいであれば、1時間で十分だと。
そして、翌日の朝。
私たちは、この取り組みの本当の意味を思い知ることになった。