AIや5G、ブロックチェーンやVRなど「時代のアップデート」と言えば、IT関連の技術革新がまず思い浮かびますが、医療分野でも「時代のアップデート」は起きています。
なかでも飛躍的に技術が進歩している分野と言えば「がん治療」です。今までは手術・薬・放射線の3つの選択肢しかありませんでしたが、ここ数年で「重粒子線治療」と「光免疫療法」が目覚ましい進歩を遂げています。
重粒子線治療は、従来の放射線治療と比べ「がんの殺傷力」と「ピンポイント治療」の精度が高く、ホリエモンが紹介したことで有名となった放射線治療です。巨大な設備が必要なのが難点ですが、全国各地で建設が進んでいます。
そして光免疫療法は、楽天メディカル(旧アスピリアン)が研究・治験を進めており、先駆け審査指定制度の対象となったことで話題になった画期的ながん治療法です。
1.がん細胞の表面に多数存在している抗原と結合する抗体を準備する
2.この抗体に特定の光にのみ反応する色素をつけてマーキング
3.マーキングした色素が結集している部位に光を照射
4.色素が反応して抗体と抗原を巻き込んで変形し、がん細胞が破壊される
この治療のメリットは、がん細胞と結合しやすい物質さえ作り出せれば、従来の治療法では困難とされていたガンが治療でき、正常な細胞への影響が最小限に抑えられることです。がんの見逃しも減ると考えられます。
もちろんまだ研究段階の技術ですので、新たな問題も出てくるかもしれません。しかし、今では比較的簡単に治療できる結核や梅毒が不治の病と呼ばれていたことを考えると、がんも簡単に治せる時代が来るのかも…そう期待してしまいます。