私の好きな本を紹介します。「機械との競争」です。
若い頃なら、栗本薫の「グイン・サーガ」を挙げたと思います。でも、栗本薫は亡くなってしまい、「グイン・サーガ」も途中で(一旦)終わってしまいました。現在は若い作家らが遺志を引き継いで物語を続けていますが、読む気がしません。もう「栗本薫の」グイン・サーガではないからです。
ここ数年読んだ技術書以外の本で、面白かったのがこの「機械との競争」です。この本は、情報技術(IT)が経済や雇用に与える影響について論じています。最近の「AIに仕事を奪われる」という論説は、この本を(恣意的に)誤解した人によってもたらされていると思います。
この本は、AIやロボットは敵ではないと言っています。馬や牛は車や農耕機の発達によって仕事を失いました。それと同様に、AI・ロボットの発達によって人がそれらに置き換えられる分野は出てきます。しかし、それらの発達によって新しい仕事も生まれます。人間は、創造的な仕事を、AI・ロボットを活用してすすめていくべきだというのが本書の結論です。
ページ数が少なく、簡単に読めるので若い人にもおすすめです。「機械との競争」を読んで、面白かったら続編の「ザ・セカンド・マシン・エイジ」「プラットフォームの経済学」も読んでみてください。こちらは厚くて読みごたえがあります。
以上