SkypeのCEOに扮するコメディアンがZoomに怒るジョーク動画が話題です。YouTube Channel「CollegeHumor」の動画「A Message From the Skype CEO」です。動画でCEOに扮するコメディアンはSkypeがZoomと比べて機能的に遜色ないのにZoomが圧倒していることに怒りをぶちまけます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19; coronavirus disease 2019)対策でZoomが普及しました。それ以前からSkypeは似たようなサービスを提供していましたが、今ほど普及していたとは言えません。コロナショック以前からテレワークはありましたが、打ち合わせが入ると出社しなければならないと当然のように考えていました。そこで「Skypeで打ち合わせしよう」という発想はありませんでした。
テレワークは一人で仕事を進められる人にとっては生産性が高まる働き方です。しかし、打ち合わせは一人ではできません。仮に一方がWeb会議を望んでも他方が望まないと成立しにくいです。Web会議の普及にはコロナショックという後押しが大きいです。
この会議の代替という点がSkypeよりZoomが選ばれた要因でしょう。Skypeは電話の延長線上というイメージがあります。電話は現在も使用できており、代替する必要性は乏しいです。話をするだけならば顔を出したいとは、あまり思いません(林田力「Web会議」ALIS 2020年5月3日)。テレビ電話は20世紀のSF作品で描かれたほど普及しそうにはありません。
商品にどんな機能があるか以上に商品がユーザーのどんな課題を解決するかという点が重要です。ユーザーの課題を解決するソリューションがビジネスになります。高品質なものを製造すれば世界中に販売できるという昭和の日本のビジネスモデルの凋落も当然でしょう。
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