秩父鉄道秩父本線に熊谷駅から長瀞駅まで乗りました。熊谷駅前には熊谷直実の像があります。熊谷直実は源平の合戦で活躍した武将です。一ノ谷の戦いでは息子・直家と郎党一人の三人で平家の陣に一番乗りを果たしました。『平家物語』の「敦盛の最期」では平敦盛との戦いを悲劇的に描き、それが出家の動機になったとします。
『吾妻鏡』では伯父の久下直光と所領を争い、裁判になりました。直実は「梶原景時が直光を贔屓する」と裁判の不公正を主張し、頼朝の御前で刀を抜いて髻を切って逐電しました。『平家物語』では無常を描きますが、『吾妻鏡』では領地を守る一所懸命の武士と位置付けます。
熊谷駅のホームには電車が停車していましたが、ドアは閉まっていました。ボタンを押してドアを開けます。降りる時にボタンを押してドアを開ける電車がありますが、こちらは車両の外側にボタンがあり、乗る時に押します。秩父鉄道は本数が少なく、電車が発車するまで時間があります。乗る時だけドアを開ける形にすれば車両の中にいる人は寒くありません。
途中の武川駅は「畠山重忠公史跡公園下車駅」です。直実も重忠も共に次郎という共通点があります。熊谷直実と畠山重忠は源平の合戦で活躍した埼玉県出身の武将の双璧です。直実は『平家物語』の「敦盛の最期」が国語の教科書にも掲載されるほど有名です。重忠にはNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』効果が出るでしょう。
ふかや花園駅は2018年に開業した新しい駅です。2022年に開業したアウトレットモール「ふかや花園プレミアム・アウトレット」の最寄駅です。
秩父鉄道は武甲山から産出される石灰石を運ぶ貨物輸送も行っており、貨物列車もチラホラ目につきました。秩父鉄道はNHK大河ドラマ『青天を衝け』の渋沢栄一が助力しました。栄一はコンクリートが重要になると見越して資金繰りを支援しました。
長瀞駅で降りました。長瀞駅は観光客を意識した駅舎です。赤い方形屋根です。「歴史を物語る木造建築の駅」として「関東の駅百選」に選定されています。駅舎の中にはカエルのマスコットが置かれています。郵便ポストも円筒形でレトロです。
長瀞の岩壁
宝登山の臘梅(ロウバイ)