2019年末最大のニュースは日産自動車のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)前代表取締役会長の出国です。この事件は人質司法など日本の刑事司法がグローバルスタンダードから逸脱したものであることを内外に示しました。私もALISで複数の記事を発表しています。
それ故かは分かりませんが、私宛にMrs. Ghosn(ゴーン夫人)を名乗る人物から英文メールが届きました。英文メールは以下のように書かれており、興味を惹かれました。
I have gone through your profile and with your great potentials towards your position we can explore more, irrespective of my husband’s problem with Nissan and declaration by Tokyo prosecutors in Japan because of my husband’s case with Nissan motors.
しかし、やり取りの結果、あなたの口座を利用してカンボジアにある資金を移動したいという話であると分かりました。それにより、1050万米ドルを私のビジネスに投資してくれます。古典的なナイジェリア詐欺の内容です。
最初は資金受け取りのためにカンボジアに行くことを求めるものでした。新型コロナウイルスの問題があり、海外渡航できないと答えると、Mrs. Ghosnの投資顧問への連絡を求められました。かなり手が込んでいます。複数の人物が登場する劇場型です。
これまでも私はナイジェリア詐欺のメールやFacebook Messageを多数受け取っています。それらは、いかにも不特定多数に同内容を送り付けているスパムという感じであり、即座に削除し、記憶に残るものではありませんでした。それらに比べると今回は標的型の印象を受けました。
特殊詐欺グループが海外から電話したり、危険ドラッグ売人が海外から原料を輸入したりと闇稼業の犯罪者集団の国際化が進んでいます。ナイジェリア詐欺のグループも日本人が雇われて、ターゲットの詳細なプロフィールを伝達しているのでしょうか。
カルロス・ゴーン氏レバノン出国と人質司法
キャロル・ナハスさん逮捕状と日本の司法は中世並み
カルロス・ゴーン記者会見で検察主導を指摘
カルロス・ゴーン事件と日本版司法取引の矛盾
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