一般社団法人ヒマラボ代表理事のモリタヤスノブです。大学で教員もしています。
ヒマラボというのは「ヒマな時間に研究しよう」から来ていまして、いわゆる研究者だけではなく、市民みんなで研究的な活動を楽しむ「リサーチカルチャーの醸成」を目指した法人です(HP: https://himalab.jp/ )。普段は、社会人や学生が自分の好奇心に沿ってテーマを設定してリサーチ活動を行う場を作ったり、その支援をしたりしています。
そんな私がどうぶつの森の記事を書いていきたいなと思ったのはつい2日前でした。
2020年3月20日に「あつまれ どうぶつの森」が発売されました。あまりこの手のゲームはやってきませんでしたが、数日経って何となくやってみたくなり、折角ならヒマラボらしく、色んな論文を読みながらこのゲームを進めてみたらどうだろうと思い、そのプロセスを残すために記録を始めました。
ちょっと進むたびに参考にしたくなる論文を読むので、「なかなか進まないどうぶつの森」シリーズにしました。
今回はその第一弾です。
さてそれでは早速ゲーム開始!、と言いたいところですが、その前に無人島に関する論文を探してみましょう。面白そうなのがあるかなとDL時間を使ってCiniiやGoogle Scholarへ。
(ダウンロード結構時間かかるな・・・。隣は、5歳の息子が間違えてザマゼンタを他の人に送ってしまったので私が取り直す羽目になったポケモン盾)
「無人島」とキーワードいれて検索。そうするとこういう論文がありました。
「無人島キャンプ体験による自尊感情と自意識の変容に関する研究 : 私立中学校の生徒を対象とした調査結果をもとに」
(小谷 正登, 瀧 和恵(2013),人文論究 63(1), 149-166 )
おお!参考になりそう。無人島を舞台にするどうぶつの森に挑む私自身の自尊感情や自意識がどうなりそうか。これから臨む私にはぴったり。読んでみましょう。
自尊感情とは、ひとつの特殊な自己に対する肯定的または否定的な態度とされ、優越感および自信と自己受容という2つの側面があります。
自意識とは、自分自身を意識することであり、自分の内面や気分など自己の側面に向ける私的自意識と自分の服装や髪型といった他者から見られる自己の側面に向ける公的自意識があります。
この論文ではこのような自己に関する意識が大きく変化する中学生を対象にしています。中学生が無人島キャンプにいくとこの意識がどう変わるのか。どう変わるんだ・・・厨二病的な私にやはりぴったりかもしれません。
結果どうなったか。
・自尊感情の変化はなく、自意識のうち特に私的自意識の向上が見られた
・キャンプへの期待度が高い人は私的自意識の得点も高い
・キャンプへの期待度が低い人のほうが私的自意識の変化が大きい(高くなる)
・キャンプへの満足度が高い人は、学校生活の充実感、友達関係の深まりも高く、友人への気づきも見出しうる傾向があった。
とのこと。
まず自分自身を見つめたり振り返る姿勢や態度は向上しそうだと。リフレクションですね、これ大事だ。いい。そういう大人になりたい。
そして「え、キャンプ?ダルくね?」みたいな人のほうが、その内省力の伸びも大きめ。これは基本的にインドアな私には朗報。
最後も満足度低かったらどうなるんだとドキドキしたけど、帰る学校もないし、もう無人島行って住みついちゃうわけだから気にしない気にしない(膝震える)。
だ、大丈夫、大丈夫さ無人島。それでは早速スタートしちゃいましょう!
まずはたぬき開発で受付から。
7文字を復唱しまくるなんて仕事してる感出してるけど大丈夫なんか・・・
しかも、一緒に来るんか・・・これ以降の受付どうするつもりなんや・・・と怪しさを感じつつ、とりあえず身だしなみを。
一応自分にもっとも近い目のパーツを選び、目の色もヒマラボカラーにしました。
さあ始まるぜ無人島生活なんて意気込んでいると、
え・・・北半球と南半球・・・どっちにしたらええんや・・・
なんとまあ軽々しく重要な決断を迫るたぬき。どう対応したらいいんでしょうか。
それはまた次の論文を読んで考えることに。
ではでは、今日もリサーチカルチャーを醸しましょう。