たぶん、大学で仕事をしている人って、普通は「○○大学○○学部の○○です」あるいは学生と間違われないように?「○○大学○○学部で教員をやっています」的な自己紹介すると思うんです
違うかな?
医学部には、通常、「基礎系」と呼ばれる人と「臨床系」と呼ばれる人がいて
基礎系と言ったら、解剖学、生理学、生化学、みたいな感じで、医学部を卒業して医師免許を持ってはいるけれど、事実上患者の診療業務にはほとんど携わっていなくて、専ら研究と学生教育と大学運営のみを行っている教員で
臨床系と言ったら、大学病院での診療業務を中心に、研究と教育を行っています
特に、臨床系講座の大学所属のなかでも、医員、助教、講師、准教授と言った職位の方の大半はその時間の大半を診療に費やしていることが多いのではないでしょうか
よって、多くの大学・大学病院所属の医師は「○○大学病院の○○科の医師の○○です」と自己紹介することが多いように思います
そして、診療業務が主体なので、研究もまあ、やった方がいいからやる、けれど学生教育はおまけ、大学運営?何それ?的なテンションの人が多いのが実情ではないかと思います
けれど、これが教授職になってくると突然いろんなことが変わります。まずは学生教育について、このカリキュラム編成から学生の評価など、それまで診療の片手間にやっていれば済んだことを全部コーディネートしないといけなくなります。
当たり前っちゃー当たり前ですが、臨床系講座で診療ばかりやっているとそんな当たり前のことにも気が付かないほど大学と言う仕組みを理解せず、大学病院のみで生きているのです
さらには、研究をするための資金確保も考えなきゃいけないし、もっと言えば総合大学なら医学部以外の学部も含めた、大学全体の運営、大学本体から医学部がどう評価を受けるかを考えるためには、日本の高等教育、ひいては社会全体についても思いを巡らせなくてはなりません
私は教授になってはじめて、大学病院は○○大学→医学部→附属病院、という階層構造の中にある、ということを実感するようになりました
それまでの診療業務主体だったところから、大学の教員ということを意識するようになりました
おいおい書いていきますが、私が本学に戻ってきてやりたかったことの1つに、学生を地域に連れ出して、地域住民と交流させていい医者を増やしたい、的なところがあります
それを実現していくために、現在、いろいろな地域のイベントなどに顔を出したりしています
そんなときの自己紹介に○○大学病院の医師で、、という自己紹介よりも、○○大学医学部で教員をやっています、○○ですと自己紹介した方が話しの筋がわかりやすいかなーと思って、最近は大学の教員です、という自己紹介に切り替えました
ま、とはいえ、月10回くらい当直するという診療業務もまだまだまだまだ継続してるんですけどね
さ、明日も当直…orz