そんなわけで、医学部の臨床系教員とは診療やりつつ、研究、すなわち論文書きもしていかないといけないのです
さて、その研究をするためにはやっぱりお金がかかるのです
シンプルな話し、実験するための器具はもちろん、そもそも部屋の机椅子からはじまり、データ解析のためのソフト、雑費、学会発表のための渡航費、論文書いて英文のネイティブチェック費、さらには、論文採用してもらってもお金かかります
よって、教授たるもの、その研究費を稼がないといけません。いわゆる競争的資金:公募されている研究費への応募です
有名なのは文部科学省が出している科学技術研究費(通称:科研費、「科研費はは書けん」というのが鉄板のネタ)ですが、これがまた、採択率が低くなかなか取れないのです
なぜとれないかというと、この科研費などの費用が取れるかどうかは、研究の申請書が審査され、その結果に応じて予算が配分されます。すると、当然、予算を与えたにもかかわらず成果が得られないような研究には予算いれたくないですよね?
そのため、審査官はその分野の研究に実績のあるのかどうか、という点も審査対象にします
従来、国立大学には研究基盤経費といって、全ての大学にベースラインとして国から配られる研究・教育のための予算がありました
これを基盤に研究を行い、その成果をもとに競争的研究費を狙いにいく、というのが常套手段でした
しかし、近年政府の「選択と集中」という方針のもと、この基盤研究費が年々減額され、競争的研究費に置き換えられて行っています
これは、我が国の中で研究実績の高い大学に集中的に予算を投入し、世界との競争に勝てるよう、支援しよう、というものです
しかし、すると何が起きるでしょうか
実績のある大学は、より次の研究費を獲得しやすく、実績のない大学は、ますます次の研究費を取りにくくなる、ということが起きます
とりわけ、我々のような地方中小規模大学は冷たい風が吹き荒れています
さらに、研究費を取ってこれるかどうかということは、研究者個人が研究を続けられるかどうかだけではなく、大学としても死活問題なのです
一般に大学に研究費が入るときには、その予算の10-30%を間接経費として大学に納めることになります。これにより大学全体の共通項に予算をさけるようになるわけです
逆に言えばこの間接経費が入ってこないと、大学全体に影響する機器の更新などにも影響を及ぼすのです
と、いうわけで、我々は科研費に限らずいろんな研究費に応募しないといけないのです
そんなわけで、今晩の私は病院の救急当直しながら、締め切り間近の研究費の予算申請用紙を書き続けているわけです
あたりますようにー