Celery
血栓症予防の「オランダ三つ葉」
◎旬=冬~春 ◎効能=強壮・強精、貧血・肝臓病・血栓症・婦人病の予防・改善
地中海沿岸原産のセリ科の一年生または多年生草本。
日本には、豊臣秀吉の朝鮮出兵(1592~1598年)の際、加藤清正が朝鮮半島から持ち帰ったため、「清正ニンジン」の別名がある。
その後、江戸時代にオランダ人が長崎に持ち込んだ西洋種は「オランダ三つ葉」と呼ばれていが、特有の香りが日本人には合わなかったようだ。
ヨーロッパでは古くから「薬草」として用いられていて、古代ギリシャの医者は万能薬(利尿剤、解熱剤、胃薬、睡眠剤など)として使用していた。
ホメロスの長編叙事詩「イーリアス」の中にも「英雄アキレウスが、セロリを使って馬の病気を治した」と書いてある。
医聖ヒポクラテスもまた「神経が疲れたならセロリを薬とせよ」といっている。
確かに、香りの成分であるアピインに神経を鎮める効果があることがわかっている。
フランスには「男に対するセロリの効き目を知ったなら、女はセロリを探してパリからローマまでも行くだろう」とか「セロリの効き目を一度知ると、男は庭いっぱいセロリを植えまくるだろう」という俗言があり、セロリの強壮・強精作用を示唆している。
セロリはビタミンA・B1・B2・Cの他、赤血球の栄養となるマグネシウムや鉄を多く含むので、貧血の改善、美肌づくり、生理不順や更年期障害にも効果的だ。
また、含有成分のメチオニンは、肝臓の働きを強化する。セロリ、パセリ、ニンジン、セリなどセリ科の植物には、血栓を溶かし、血液をサラサラにするピラジンが含まれているので、心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症に悩まされている現代日本人は、セリ科の植物を十分に摂るべきである。
また、セロリにはすい臓の働きを促し、糖尿病の予防にも効果があることも明らかにされている。
さらにセロリは、臍血(血行不順)を改善し、婦人特有の、肩こり、頭痛、のぼせ、生理不順、更年期障害にも奏効する。
【民間療法】