発毛を促進する「緑のトウガラシ」
Green Pepper/Sweet Pepper
◎旬=夏 ◎効能=発毛促進、夏バテ予防、血管強化、ガン予防
南アメリカのアマゾン川流域原産のナス科の一年生草本。「ピーマン」はフランス語のpimentからきている。英語ではGreen Pepper(緑のトウガラシ)とかSweet Pepper(甘トウガラシ)などと呼ばれることからして、トウガラシの一種であることがわかる。
5世紀にコロンブスがヨーロッパに伝え、日本には明治初期にアメリカから入ってきた。
しかし当時の人々にはトウガラシは辛いものだという先入観があり、「テヤンデェこんなもん、トウガラシといえるかい」という具合に、拍子抜けしたようなピーマンの味になじめず、ほとんど普及しなかった。
トウガラシの仲間には、タカノツメ、ヤツブサ、ナガミトウガラシなどの辛味型と、シシトウガラシ、ピーマンのような辛味の少ない甘味型がある。
ピーマンは果肉がなく、中身が空っぽなので、中身のない人、ということを「ピーマンみたい」ということもあるようだが、次に示すように種々の効能がある。
成分的には、βカロチン、レモンの約2倍のビタミンC、ビタミンB1・B2も多く含まれ、夏バテ予防には格好の野菜。一般にビタミンCは熱に弱いが、ピーマンのビタミンCは熱に強いという特徴がある。
また、毛細血管を強化し、出血を防ぐビタミンPも含まれているので、脳出血をはじめ種々の出血性疾患、潰瘍や傷の予防・治療に効果的だ。
ピーマンのように濃い色をしている葉緑素(クロロフィル)は、血液中のコレステロール低下作用や抗ガン効果があることも知られている。
また、比較的多く含まれる食物繊維は、便通をよくし、腸内の老廃物の解毒、排泄を促してくれる。
特筆すべきは、ミネラルであるケイ素が多く含まれているので、爪や毛の発育に効果があるという点だ。
今日では一年中出回っているので、サラダにして生で食べたり、油で炒めたり、ピーマンの肉詰めにして食べたりと、大いに利用するとよい。
【民間療法】
脱毛・爪の発育不良……ニンジン・リンゴ・ピーマンの生ジュースを飲む。
便秘・肉食過剰……ピーマンのサラダ(他の野菜と組み合わせても可)を常食する。
葉緑素と食物繊維の総合効果で便通をよくし、排泄解毒作用を発揮する。