肉が硬くなり、色も悪くなる煮物、特にすき焼きといえば、日本を代表する牛肉料理。
ちょっぴり贅沢気分を味わえるすき焼きは、日本人に欠かせない冬のごちそうだ。
付き物はネギに豆腐、そしてシラタキ(糸コンニャク)。
シラタキの原料はコンニャクイモだが、コンニャクイモを固めるために使われるのは石灰。
石灰にはカルシウムが含まれている。
肉のたんぱく質は加熱されることによって凝固作するが、カルシウムに出合うと熱凝固が早まり、煮えたときに硬くなってしまう性質がある。
これでは、おいしくなくなってしまう。
また、肉に含まれるミオグロビンという色素は、加熱されることによりメトミオグロビンになり褐色に変化する。
それがカルシウムによってどす黒い色になり、見た目のおいしさまで損なわれてしまう。
肉の柔らかさ、色という両面から、すき焼きなど肉を煮る場合、シラタキを一緒に煮るのなら、シラタキと肉をふれあわないようにするのがおすすめだ。
できるだけ両者を遠ざけたり、間に豆腐を置いてブロックしたりするといいだろう。