残してはもったいない「薬草」
Parsley
◎旬=春◎効能=食中毒の予防、眼病・内分泌の病気の予防、肝機能強化
ヨーロッパ中南部からアフリカ北岸原産のセリ科の越年生草本。ヨーロッパでは紀元前4世紀から栽培され、古代ギリシャ、ローマ時代には食中毒や二日酔いの予防に珍重された。
また、宴会の象徴とされていた。競技会の優勝者に、パセリの冠を与えたともいわれている。古代ギリシャでは、子供に恵まれない男に対して「彼にはパセリが必要だ」といったという記録もあり、パセリには催淫性があることを示唆している。
日本へは、江戸初期にオランダ人が伝えたので「オランダゼリ」の別称がある。
特有の香りは、ピネン、アピオールという精油で、防虫の他、殺菌効果があるので、食中毒の予防に役立つ。
洋食にパセリが添えられているのも、腸内で肉や脂の腐敗、消化不良を防ぐ意味がある。よって、パセリも残さないで食べたほうがいい。
科学的にみても、パセリは、料理の付け合わせだけではもったいないほどのビタミン、ミネラルを含んでいる。ニンジンと同量のβカロチン、B群、C、Eなどのビタミン類と、鉄、カルシウム、リン、イオウ、カリウムなどのミネラルを存分に含有しているのだ。
その他、血小板の凝固を抑制して、血栓を防ぐ作用があるピラジンという成分も含有している。
こうしたビタミン、ミネラル類や精油成分の総合効果として、①食欲増進、健胃、整腸 ②利尿を促す ③目、視神経の病気に奏効 ④目、腎臓、膀胱、尿管の感染症に奏効 ⑤血管を若くしなやかに保つ ⑥イライラやノイローゼの防止、改善 ⑦貧血を防止し、酸素運搬能力を増して、脳の働きを活性化⑧クロロフィルや塩素が体内の老廃物を解毒⑨副腎や甲状腺、卵巣などのホルモン臓器の機能を正常化⑩肝機能の強化などの作用があることが、経験的、科学的に知られている。ヨーロッパでは野菜より薬草として用いられてきたゆえんである。
細かく刻んでスープやパスタなどにふりかけて食べるのもよい。
【民間療法】
前記①〜⑩の症状・病気….…ニンジン・リンゴ・パセリの生ジュースを毎日飲む。
タバコの口臭止め……パセリをよく噛んで食べる。
虫刺され……生の葉をもんで、患部に直接すり込む。
貧血……パセリ3茎とリンゴ1個で生ジュースを作り、毎日飲む。
疲れ、食欲不振……パセリ酒を、適宜おちょこ1杯ぐらいずつ飲む