旅先では「これをしないともったいない」と考えてしまい、
つい無茶をしてしまうものです。でもそんな無茶がまたクセになり、
新たな冒険に出たくなるのです。
大雨の中、和歌山からやってきたというご夫婦とともに縄文杉を目指します。
途中には「ウィルソン株」という、人が入れるほど大きな木の株があり
株の中に入り、上を見上げるとハート形の穴が開いているという、
観光スポットがあるのですが、そこにも人はほとんどいません。
そして、ウィルソン株も、雑誌などに載っている写真でみるほど、
ハート形はしていませんでした(笑)
こうした小休止の時にも、ご夫婦にバナナなどの軽食までいただき、
共に縄文杉を目指す仲間として結束を強めます。
出発からおよそ4時間。
後半は膝ぐらいまで水に浸かる場所もありながら、
何とか縄文杉が見える展望スポットまでやってきました。
そうなんです。縄文杉は触れることはおろか、
近づくことさえ出来ず、少し離れた展望台から眺めるだけなのです。
ここまでの道中で人をほとんど見かけませんでしたが、
ここには多くの人たちがいました。
「縄文杉」の感想は「あぁ、あれか」という感じ。
展望台からは確かに巨大で威厳のある杉を見ることが出来ますが、
特別な感動はありませんでした。
一方、「ここまで歩いてきた」という達成感は非常に大きく、
きっと縄文杉の魅力は杉そのものではなく、
そうした道のりを歩くというところにあるのかもしれません。
~続く(609文字)~
旅と移住のブログ